人間のいない国 2 アクションコミックス
著:岩飛猫
出版社:双葉社
目覚めると人間のいない街に一人いた少女シイ。
記憶を失っていた彼女は手掛かりを探す為、彼女を助けたゴーレム、バブルとムイムイ、そして人の友人となるべく生み出されたティーファと共に王立図書館へ足を運びます。
ですが、その図書館でシイを追っていた三角頭のゴーレムに襲撃を受けてしまい……。
登場人物
ムーディ
下層エリアに住むゴーレム
ディスプレイの顔と十徳ナイフの右手を持つ改造ゴーレム。
下層エリアで修理屋を営んでいる。
会話に難あり。
彼を改造したのはバブルのマスターだった男性らしい。
アリアドネ
人の女性の姿をしたゴーレム
黒髪の美しい女性の姿。
人に寄り添い癒しを与える事が仕事らしい。
その為か人の気持ちを鋭敏に感じ取る。
あらすじ
三角頭は撃退したものの、攻撃を受け破壊されたバブルとムイムイ。
シイはティーファに促され、彼らを置いて図書館を逃げ出した。
ティーファは後で迎えに来ようと言いつつも、内心ではシイを独占できる事を内心喜んでいた。
そんなティーファに連れられシイは彼がいたという店に辿り着く。
その店には妖精や猫のぬいぐるみ等、まるで玩具の様なゴーレムが所せましと並んでいた。
店に陳列されていたそのゴーレムの一部が動き出し、次々とシイたちに話しかける。
しかし、そんなゴーレム達に囲まれていても、シイの顔は浮かないままだった。
その動き出したゴーレムの一人、妖精にバブルとムイムイが壊された事を話すと壊れたなら直せばいいと妖精は話した。
聞けばこの街には修理屋が沢山あるらしい。
それを聞いたシイは早速バブルたちを修理しようと店を出ようとした。
そんな彼女にゴーレム達は戻ってくる?と尋ねる。
彼らは人間がいない限り動かず、ただ人間を楽しませる為だけに存在していた。
つまり、シイが店をさればまた陳列棚に戻り、人形の様にただ人を待ち続けるだけ……。
彼らはその事に何の疑問も抱いてはいないようだった。
感想
今回は図書館の襲撃からティーファに連れられ逃れたシイとバブルたちの再会、帰宅とシイの悪夢、そして破損したバブルとムイムイの修理の為下りた下層エリアでの様子が描かれました。
今回、読んでいて感じたのは、彼らを作り出した人間の身勝手さでした。
作中、登場するゴーレム達は三角頭等の一部を除き、基本的には人間であるシイに奉仕しようと動いています。
しかし、そんなゴーレムも不要になれば下層にある廃棄所に捨てられてしまいます。
機械であると考えればそれも当たり前の事かもしれません。
しかし、人間と対話し人の為に懸命に働こうとする姿を見ていると、どうしても感情移入してしまいます。
そういった事もあり、携帯ショップにいたペッパー君にも余り上手く対応出来ませんでした。
彼らがまだ稼働しているのか、最近どうしているのか、少し気になりました。
まとめ
今回、登場したアリアドネのエピソードはやるせなくて、切なくて、でもとても素晴らしかったです。
この作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。