バカレイドッグス Loser 4 ヤンマガKC
原作:矢樹純
漫画:青木優
医療監修:茨木保
出版社:講談社
裏路地の闇医者、犬童兄弟と彼らに買われた看護師、雪野鈴の活躍を描いた作品、その続編第四巻。
今回は犬童兄弟と彼らの母親を攫った北條との因縁が語られます。
登場人物
北條(ほうじょう)
犬童兄弟の母親を攫った男、未承認薬の裏ブローカー
両耳と唇にピアスをした危ない目の青年。
半グレ集団のリーダーであり、かつて抗争で負傷した際、辰次(たつじ)の治療を受けた。
しかし治療の二週間後に薬物の過剰摂取で一度死亡。
その事が原因で組織のナンバー2であり兄弟同然だった男、久納(くのう)を失う。
その後、蘇生したらしく現在は久納の死の原因が辰次にあったと逆恨み。
辰次を苦しめる為、陰謀をめぐらせているようだ。
久納幸生(くのう)
北條がボスだった半グレ集団のナンバー2
北條とは小学校時代からの友人。
治療後に一度死んだ北條の報復の為、怪我の原因である外国人マフィアのアジトに乗り込むも、返り討ちに遭い死亡。
というのは表向きで、彼の死には何か秘密があるらしい。
広岡将吾(ひろおか しょうご)
実業団に所属する柔道選手
糸目のがっちりした体格の男性。
過去の練習試合で肘を傷めており引退を考えている。
痛みを消すステロイドの注射は一年に打てる回数が決められている。
広岡は既に限界である三回目を打っている為、通常の病院では処置して貰えず最後の試合に出る為、犬童医院を訪れた。
森山(もりやま)
広岡の大学時代の友人
大学のOGである杉原に練習試合で締め技を掛けられ頸髄を損傷。
将来を有望視されていたが柔道家としての道を断たれた。
杉原太一(すぎはら たいち)
広岡が所属していた大学柔道部のOG
釣り目で金髪口髭の男。
稽古にかこつけ後輩たちを傷めつけていた。
大学側が事件の発覚を恐れもみ消した為、現在も実業団に所属し柔道を続けている。
金髪ゲス野郎。
あらすじ
辰次たちの母親を攫った未承認薬の裏ブローカー、北條から辰次たちに連絡が入る。
彼はビデオ通話で母親と一緒に映りながら、これ見よがしに包丁をチラつかせた。
そんな北條に辰次は「母さんにもしもの事があれば、どんな事をしてでもお前は僕が殺す」と静かに告げた。
それに北條は軽く笑い、大切なものを壊すはお前自身だと薬の小瓶を見せ通話を切った。
ビデオ通話に映っていた場所に心当たりは無く、焦る亥三(いぞう)に辰次は舘松タクシーと呟く。
通話の映像の背後、壁に掛かっていたカレンダーにそう印字されていた。
亥三はそこからタクシー会社の場所を調べ川崎である事を突き止める。
更に北條がいた養護施設の職員に連絡を取り、川崎には北條の祖父母の家がある事を聞き出した。
住所も確認出来た辰次、亥三、鈴(りん)の三人は川崎へ車を走らせる。
その道中、辰次は買いたい物があるとドラッグストアに一人向かった。
しかし、駐車場で待っていても辰次が店から出て来る気配は無い。
鈴が店内を見て回るも辰次の姿はどこにも無かった。
辰次には川崎の祖父母宅が北條の仕掛けた罠だと分かっていた。
北條は辰次自身では無く、彼の周囲の大切な人をターゲットにしている。
大切な人、それは母親と弟の亥三に他ならない。
亥三を巻き込む事を恐れた辰次は一人、罠である祖父宅では無く、北條が実際に通話していたある家へと向かっていた。
感想
今回は作品のメインストーリである北條と辰次達との因縁と、柔道選手広岡の復讐にまつわるエピソードが収録されました。
北條が辰次を狙う理由は亥三が推測した友人の死への逆恨みでは無く、もっと何かドロドロした真相がありそうです。
また、北條の部下である金髪の巨漢(名前はまだ不明)と亥三とのリターンマッチも今後、ありそうな気がしました。
二つ目のエピソードについては、恐らく現実でもあるのではないかと思える物でした。
体育会系に付き物のシゴキ。
最近では根性論では無く、練習はもっとシステマチックになっている様に思います。
ですが、未だにスポーツでは精神論的な気合や気持ちというのも重要視されている気がします。
確かにモチベーションが上がれば、結果が出せる場合もあるでしょう。
しかし、そのモチベーションを上げる為に選手を罵倒したり虐めたりするのは違う様に思います。
作中の杉原の行為は自身のストレス発散のようで論外でしたが、圧を掛けて伸ばす事が指導だと思っている風潮はある様に感じます。
軍隊的というか、結果や成果を無理矢理引き出そうする感じはスポーツだけで無く、社会全般にはびこっているなぁと感想を書いていて唐突に思いました。
まとめ
作品は次巻で最終巻。
恐らくですが、北條の秘密が明らかになるのではないでしょうか。
色々、気になっている事があるので今から読むのが楽しみです。
こちらの作品はコミックDAYSにて一部無料で閲覧できます。
原作者の矢樹純さんのTwitterはこちら。
漫画担当の青木優さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。