ゴブリンスレイヤー3
著:蝸牛くも
画:神無月登
出版社: SBクリエイティブ GA文庫
ゴブリンスレイヤーが活動する辺境の街も秋を迎え、街は収穫祭を控えにわかに盛り上がっています。
今回は収穫祭の様子と、そんな祭の影で暗躍する者達との戦いが描かれます。
冒頭部分 あらすじ
牧場のはずれにある小さなレンガ造りの小屋。
そこで一人の少女が汗を掻きつつ、作業にいそしんでいる。
小屋の中には大量の豚肉が吊られている。
煙に燻され油を滲ませて、それが何とも食欲をそそる香りを発していた。
この時期ベーコンを作るのは毎年の事だ。
いつもは手伝ってくれる男は今日は仕事で不在だった。
強張った体をほぐし、実って黄金色になった麦畑に目をやる。
夜明けの光を受けて麦畑が輝く。
渡る風が麦の穂をなびかせ、まるで黄金の海のようだ。
日差しを受けて一番鶏が鳴く。
街から炊事の煙が上がった。
不意に吹き抜けた風に冷たさを感じて、牛飼娘は身震いをした。
夏が過ぎ、季節は秋へと移り変わっていた。
彼が帰ってきたら、出来立てのベーコンで、シチューを作ろう。
彼女も心が浮かれているようだ。
仕方がない、秋は祭の季節なのだから。
ゴブリンスレイヤーは平素と変わらず、ゴブリンを狩っていた。
村の鉱山を占拠したゴブリンの排除が今回の依頼だ。
占拠されて半月ほど経っている。女も攫われているが、子をなすほどの時間はないだろう。
しかし、囚われたものが生きている可能性もあるので、毒や水攻めは使えない。
今回は、ゴブリンスレイヤーと女神官の二人で、依頼に当たっていた。
彼はゴブリンどもを屠りながら、その装備がやけに整っている事に気が付いた。
ゴブリンから装備を奪い、襲い掛かって来た敵をしとめた。
女神官は周囲を確認する。
後続はない、入り口側も敵影はなかった。
移動するぞと女神官に声かける。
手にした鶴橋に真新しい土が、こびり付いているのを女神官に見せ、彼は言った。
「俺ならば横穴を掘って奇襲をかける。」
印象に残ったもの
・魅力的なヒロインたち
やはり今回は、ゴブリンスレイヤーと彼の周りの女性たちが注目どころでしょうか。
牛飼娘と受付嬢とのデートシーンや、女神官の神楽等、これぞ祭といったシーンが多く描かれます。
イラストの神無月さんの口絵も素晴らしいです。
感想
今回は秋の収穫祭のお話です。
彼は常は「そうか」と「ああ」いがいは殆ど口にしないのですが、妖精射手に祭の時はそれを禁止されてしまいます。
その甲斐あってか、彼にしては饒舌でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。