ゴブリンスレイヤー2
著:蝸牛くも
画:神無月登
出版社: SBクリエイティブ GA文庫
辺境ギルドで、ゴブリン退治のみを請け負う冒険者。
いつしか銀等級まで上り詰めた彼を、人はゴブリンスレイヤーと呼んだ。
ゴブリン退治しかしない、おかしな冒険者、ゴブリンスレイヤーの冒険を描いた物語、第二弾です。
冒頭部分 あらすじ
ゴブリン退治しかしない冒険者、ゴブリンスレイヤー。
そんな彼のもとに、辺境の大都市、水の都から指名依頼が届く。
依頼がゴブリン絡みであれば、彼が断わるはずもない。
ゴブリンスレイヤーは女神官、妖精射手、蜥蜴僧侶、鉱人道士と共に水の都へ向かった。
昼でも薄暗い森の中、かつての都市は植物の隆盛に押されその苗床となっている。
その森の中を、五人の冒険者が進んでいた。
先ほど、牧場の防衛をギルドで依頼した際の妖精射手への報酬。
一緒に冒険をするというやつで、ゴブリンスレイヤーはこの森の遺跡を訪れたのだ。
妖精射手と鉱人道士の会話を蜥蜴僧侶がたしなめる。
見慣れた光景となりつつある仲間の様子を、女神官は微笑みながら見つめた。
蜥蜴僧侶が地図を取り出し、奥にある神殿まで行くことを提案する。
ゴブリンスレイヤーは同意する。
ゴブリンがいるかもしれないというその言葉に、妖精射手はもっと冒険を楽しめと言うが、彼は素っ気無い。
それを聞いた鉱人道士が妖精射手に、気長に行けと声をかけた。
しかしと鉱人道士は続ける。
功績をあげて出世したほうが、仕事がやり易いんじゃないのかと彼に問う。
それにゴブリンスレイヤーは、その間にも村が襲われると返した。
只人は皆こうなのと呆れる妖精射手に、彼が特別なんですと女神官が応える。
だけど、以前より話してくれるようになりましたと続けた。
話しながら進んでいると、神殿の入り口が見えてきた。
妖精射手が敏感に異臭を感じとる。
燻り出すと言ってゴブリンスレイヤーは、黄色の塊を取り出す。
そして塊に火を点け、神殿の入り口に放り込んだ。
毒煙に追われて出てきたゴブリンを一行は仕留めていく。
妖精射手はこれは冒険ではないと憤っている。
煙が晴れた神殿の入り口に向かいながら彼は言う。
「ゴブリンどもは、皆殺しだ。」
印象に残ったもの
・剣の乙女の願いと答え
魔人王を斃した英雄の一人、剣の乙女。
至高神の大司教である彼女の願いに、淡々と答えるゴブリンスレイヤーが素晴らしいです。
彼の答えは、長い時間苦しんできた、彼女の心を救ったのでしょう。
感想
今回の舞台は都市の地下、下水道が物語の舞台です。
ゴブリンスレイヤーには、様々な遊び心が隠されています。
今回は巨大なワニが出てくるのですが、これは下水道に潜むワニの都市伝説がモチーフだと思います。
(たしかパトレイバーでもあったなぁ。)
このほかにも、ゲームであったり、各所に過去の作品へのオマージュが見られます。
出どころが自分の好きな作品だったりすると、それだけで嬉しくなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。