小説 小説長編

春の魔術

投稿日:2019年4月17日 更新日:

桜春の魔術
著:田中芳樹
イラスト:ふくやまけいこ
講談社文庫

大学生の能登耕平と小学生の来夢が活躍する長編ゴシック・ホラー シリーズ完結作。

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冒頭部分あらすじ1

三月中旬、春休みの真っ最中、耕平は上野駅にいた。
アルバイト先の怪奇幻想文学館。
そこの主任と事務長の二人に見送られ彼は特急に乗り込んだ。

事の起こりは北本の女婿、典夫からの電話だった。
典夫によると北本が来夢と共に昨日の夜から行方不明だという。

もしかしたら、北本の気まぐれかもという典夫の希望的観測をあざ笑うように耕平の携帯が鳴る。
携帯の番号は北本と来夢しか知らない。
耕平が電話に出ると無機質な声が聞こえた。

「タソガレショウエンニコイ……」

それだけ言うと電話は切れた。
耕平は警察に連絡しようとする典夫を押しとどめ、自分が探しに行くと主張した。

典夫は北本の耕平に対する信頼を知っていたので連絡を絶やさない事を条件に彼を送り出した。

黄昏荘園、それは耕平が来夢と初めて出会った時、迷い込んだ場所だ。
耕平は二人を探すため北に向かう列車に乗ったのだ。

あらすじ2

列車には知り合いが二人乗っていた。
一人は大学の同期生である藤崎。
もう一人は11月、来夢を狙った事件で知り合ったタレントの小田切亜弓だ。

亜弓は彼女のファンである藤崎を無視し耕平に話しかけた。
彼女はいろいろ決着をつけたいと彼に語った。

亜弓も耕平が列車に乗った理由を知っているようなので、彼女の事は気に入らないがどうしたいか話す事にした。

以前、黄昏荘園には耕平、北本、来夢の他に六人の男女と一緒に訪れた。
その内の一人は怪物に姿を変えたので。救いようが無いだろう。
他の五人を生きているなら救いたいと耕平は亜弓に話した。

勿論、来夢と北本を救う事が最優先で他の人たちは出来るだけという事になるが…。
亜弓と話していると藤崎が会話に絡んできた。

藤崎は耕平へ悪意の溢れた言葉を投げかける。
みんなと違う奴は敵だ。そうだろ?と話す藤崎に亜弓は同意を求められてもと返した。
しかしその言葉を藤崎は無視した。

その事に耕平は違和感を覚える。
藤崎は熱狂的な亜弓のファンだ。
彼女の言葉に反応しないなんてありえない。
気をつけろと亜弓に言ったところで耕平の携帯が鳴った。

デッキに移動し通話ボタンを押す。
電話は来夢からだった。
北本と一緒に黄昏荘園にいるらしい。

行き先は確定した。
耕平は亜弓を追ってきた藤崎と彼女に用があるらしい暴力団関係者らしき男たちから逃れるべく亜弓と二人車内を走った。

車内では逃げ場所は無い。
男たちに追い詰められそうになった時、列車がどこかの駅に止まりドアが開いた。

二人はホームに飛び降りると、耕平のアポーツ(物体引き寄せ)を使って追っ手を阻害しながらタクシーに乗り込んだ。

感想

シリーズ完結作という事で舞台は耕平と来夢、二人にとって出会うきっかけとなった黄昏荘園です。

耕平と亜弓はタクシーで向かった閉園した遊園地から黄昏荘園に導かれます。
今回は、戦いの連続のような展開で息を吐く暇もないという印象でした。

物語は完結しましたが耕平と来夢の中にある異次元生命体はそのままです。
その力を狙って二人は事件に巻き込まれるでしょうが、二人一緒ならどんなトラブルも切り抜けられる。
そんな風に思います。

まとめ

黄昏荘園から始まった物語は黄昏荘園で幕を下ろしました。
もう少し耕平と来夢のお話を読んでみたいという思いもありますが、来夢が小学校を卒業した事で丁度区切りが良い気もします。

子供と大人の境界線は線引きは難しいですが、小学生から中学生に変わるというのは確かに大人への入り口だったと感じます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのHans Braxmeierによる画像です
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