ブルージャイアントエクスプローラー 4 ビッグコミックススペシャル
作:石塚真一
出版社:小学館
後に世界的なサックスプレイヤーとして名を馳せる、宮本大の軌跡を描いた作品。
そのアメリカ編。
スケーターのジェイソンをエージェントに加え、西海岸の大都市サンフランシスコを出た大は更に南下、ジェイソンの知り合いのいるシリコンバレーを経由し、アメリカで二番目に大きな都市ロスアンゼルスに向かいます。
登場人物
ゲーリット・ロング
ジェイソンの友人
金髪短髪の白人。
自由奔放なジェイソンと正反対に、エンジニアとして堅実な努力を積み重ねている。
正反対な二人だが、彼とジェイソンはお互いを認め合う親友のようだ。
カルロス・エスカンドン
コロンビア人のダンサー
黒髪短髪で浅黒い肌の青年。
ダンサーとして成功する夢を叶える為、コロンビアからロスへとやって来た。
全ての力を使い切る様な大の演奏を聞いて彼のファンになる。
アントニオ・ソト
メキシコ人のピアニスト
黒髪の青年。
オランダでの大とサム・ジョーダンのセッションをシリアス過ぎると酷評する。
彼のプレイはとにかく明るく軽快。
あらすじ
大都会ロスアンゼルス。
大がこの街のジャズバーを巡り感じたのは、この街の住人達がジャズに求めているのは強い音の無い、耳に障らない物だという事だった。
店側もそんな客のニーズを分かっており、大の音はどの店にも受け入れられなかった。
この街をスルーしよう。そう言ったジャクソンに大は首を振る。
この街を知りたい。まだ逃げるには早い。
大は挑戦を続ける事を宣言し、声を掛ける店をジャズバーからライブハウスへと変えた。
店主はうちはロックの店だと断りを入れるが、その店の壁にはシアトルで知り合ったメジャーバンド「グランナイツ」のマーティンが貼られていた。
大はダメ元でマーティンに連絡を取り、彼の口添えで出演の約束を取り付けるのだった。
感想
今回はシリコンバレーから始まり、ロスアンゼルス、サンディエゴ、国境を超えメキシコ、ティファナでの新たな出会い等が描かれました。
その中でも今回は昔、アルトサックスをやっていたという老人の話が印象に残りました。
ライブが終わり数人しか立ち上がり拍手をしなかったのに、大は満足気に満面に笑みで笑いました。
老人は言います。自分にはそう思えなかった。
「きっと本人が負けたと思わなかったら勝つんだね。
「オレなんて」、そう思った瞬間に終わるんだ」
続けていく事、信じる事、そんな愚直な思いが道を切り開く。
エピソードを読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
この巻の最終話、エージェントのジェンソンはサンディエゴで大と別れる事を告げます。
街ごとにライブは続けていても、アメリカで無名の大は殆どギャラは得られていません。
その事が原因で、ジェイソンへのエージェント料も余り払えず、彼の資金が尽きた事がその最たる理由でした。
次巻ではそんなジェイソンが声を掛けたピアニスト、アントニオとの旅が始まる様です。
大のシリアスなサックスと、アントニオの明るいピアノ。
二人のセッションがどうなるのか、読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。