終末ツーリング 4 電撃コミックスNEXT
著:さいとー栄
出版社:KADOKAWA
お姉ちゃんが残したSNS、つーりんぐらむの写真。
その場所を巡る旅を続けるヨーコとアンドロイドのアイリ。
二人がその日訪れたのは大洗。
昔はバイカーたちがフェリーに乗り北海道へと旅立った場所だったが、文明が崩壊した今、海岸線の上昇で道は無くなっていた。
あらすじ
道は無くなりフェリー乗り場も海に飲まれていた。
しかしバイカーたちで賑わっただろう、当時の雰囲気を少しでも感じたかったヨーコはアイリと二人、陸に乗り上げたフェリーの中で一泊する事にした。
フェリーの客室で眠りについたヨーコは、当時の様子を夢に見た。
そして翌日、無人のフェリーを後にした二人は大洗を遊びつくそうとお姉ちゃんも訪れた水族館へと足を運んだのだった。
水族館では水槽には水は無く、展示されていた生き物たちの姿はなかった。
そんな施設を散策しながら、二人は魚たちが泳いでいただろう水槽を見て回る。
ほとんどの水槽は空っぽだったが、ひときわ大きな水槽だけはまだ水が残っていた。
その濁った水槽の壁が突然ドンと音を立てる。
「な…何もいないんだよね……?」
「おっ、おお……?」
うろたえる二人の視線の先を巨大な何かがゆっくりと通り過ぎた。
感想
今回は冒頭、大洗のフェリー、そして水族館の散策から始まり、日光、いろは坂、吉見百穴での未知との遭遇、秩父郡小鹿野町でのバイク弁当、白樺湖でのキャンプとヴィーナスライン、軽井沢ショッピングモールと浅間山の温泉などが描かれました。
今回はその中でもページ数は少なかったですが、中禅寺湖でのキャンプシーンが印象に残りました。
作品は文明崩壊後、デストピアな日本を旅するお話なので、基本、ヨーコとアイリ以外登場しません。
ただ、中禅寺湖のキャンプは他の場面と違い自然の中での孤独感というか、ただ焚火がはぜる音だけが響く静かな夜を感じました。
焚火の炎と満天の星。
変わってしまった世界の中で、あの場所は今も昔も変わっていないんだろうな。
エピソードを読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
この巻のラスト、温泉を目指していたヨーコは火山ガスで倒れてしまいます。
アイリはヨーコを担ぎ、ガス地帯から抜けようとするのですが、そんな二人の前に一人の少年が現れ……。
ヨーコとアイリ以外で初めての人型のキャラクター。
彼が何者なのか、続きが気になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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