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赤ずきんの狼弟子 月への遺言 3

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山羊赤ずきんの狼弟子 月への遺言 3
著:茂木清香

獣人、人間、狩人、三種の人が住む世界で、本来狩る側と狩られる側の二人が師弟になる物語。

この作品は同人誌として発表された物で、商業版の主人公ウルとマニが出会う前、ウルの毛皮の持ち主であった喧騒(スコル)という名の獣人のお話です。

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登場人物

スコル/ウル
人狼族の少年
群れを離れ雷帝と呼ばれる狩人トールの弟子となる。
狩人には獣人の声が聞こえない為、スコルという名が分からず初めての狩りに成功したスコルにトールは光輝という意味のウルという名を送った。

トール
狩人
雷帝と呼ばれ雷を自在に操る凄腕の狩人。
スコルの魂の底にある強さを感じ取り、鍛えて強くなった彼と戦う為、スコルを弟子にする。

シフ
トールと仲のいい女性の狩人
幼く小さなスコルを気に入り、優しく接する。

メェユイ
山羊人(バフォメット)
山羊の獣人の少女。
角以外は人に近い容姿を持つ。
ある目的のため、人の町を目指している。

冒頭あらすじ

人狼族の少年スコルは弱い自分に耐え切れず、人狼の里を飛び出た所を狩人の雷帝トールに見つかり、半ば強制で弟子にされる。
かなりスパルタな最初の試練を乗り越えたスコルは、その祝いとしてトールからウルという名前を受け取った。

与えられた試練として初めて自分の力で獲物をしとめ、その肉を食べたスコルは自分が人狼として駄目では無かったと純粋に喜んだ。

その翌日もトールのしごきは続いた。
まずは基礎体力だと課せられた訓練も、狩人基準で少年のスコルには付いて行くのがやっとだ。

その訓練の一つ川を渡る途中で水没したスコルを置いて、トールとシフは手合わせを始めた。
自分と同じ事をしていた筈なのに余力一杯の二人にスコルが驚愕していると、彼は森の中に獣の気配を感じる。

試練で味わった狩りの興奮をもう一度味わいたいと思ったスコルは、気配を追いトール達に何も伝えず森の中へと踏み入った。

逃げる獣を捕まえたスコルだったが、それは獣では無く山羊人の少女メェユイだった。
狩らないでと泣く彼女を宥め、お互いの話をしているうちスコルは彼女が人の町へ行く事を知る。
その話の過程で彼女が風邪をひいているらしいと知ったスコルは、メェユイを気遣い彼女と共に人の町へ行く事にするのだった。

感想

今回は人間と獣人、そして狩人の関係性が物語を通して描かれました。
この作品における種族の強さは、一番目が狩人、二番目が獣人、そして三番目が人間という位置づけです。

特別な力の無い人間は狩人、獣人、そのどちらとも話せますが、人を喰う獣人を恐れ、またそれを狩る狩人に縋り生きています。

作中、スコルは話せるのだから仲良くなろうと人間に歩み寄ろうとします。
しかし、町の人間達は彼を恐れ拒絶します。

人が獣人を恐れる理由も理解は出来ます。
いつでもこちらを殺す事が出来る存在と対等な友人にはなれない筈です。
更に、人を喰った獣人が血で狂い、狂暴化するのであれば致し方ないのではとも思います。

商業版では登場した獣人達によって雰囲気が全然違う理由は深く語られていなかったので、この巻を読んでやっと彼らの様子がおかしかった理由が理解出来ました。(商業版で人を食べていた獣人の目とか描写が、狂気じみててかなり怖かったんですよね)

まとめ

トールとスコル、狩人と獣人の師弟を通して明らかになる世界の秘密。
今回のエピソードは少し不気味で切なくて、でもどこか心に光が射すようなそんなお話でした。

茂木清香さんのツイッターはこちら
作品はBOOTHのもぎ屋及びメロンブックスのもぎ屋からご購入いただけます。
こちらは同人誌ですので、在庫切れの場合は再販をお待ち下さい。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのFelixMittermeierによる画像です。
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