ぽんこつポン子 7 ビッグコミックス
作:矢島圭太
出版社:小学館
町内会の慰問で訪れた温泉旅館。
その旅館の露天風呂へ向かったポン子と茜は、先に入っていた二代目と鉢合わせてしまい……。
登場人物他
煙草屋のお婆ちゃん
ゲンジがいつも煙草を買う店の主
男性アイドルグループに親子でハマり、娘と二人福岡公演に出かける事になった。
その事で、飼い猫を煙草を買いに来たポン子に預ける。
タロー
ポン子の姉が北海道を旅している途中であった無口な男
見た目は彫りの深い白人男性。
右目を故障したポン子姉を自分が暮らす農場で世話する。
農場を営んでいた老夫婦に拾われたはぐれロボット。
山田先生
サンゴたちの担任
背の高い優しい雰囲気の女性。
身長は聞いてもいいが、体重を尋ねると怒るらしい。
あらすじ
二代目と図らずも混浴となってしまったポン子と茜。
密かに思いを寄せる二代目との混浴に顔を染める茜だったが、彼の興味はポン子の方に向かっていた。
風呂から上がり気を使って牛乳を差し出す二代目に、茜はムスッとした態度で気を使わなくていいと返す。
そんな気まずい空気を変えようと、ポン子は確認を怠った自分が悪いと土下座した後、卓球で二人の関係の修復を考えた。
最初にポン子と二代目が対戦するが、結果は0-10でポン子の圧勝。
次に陸上部の茜がポン子に挑むが2-10でやはり負ける。
どうやらポン子は卓球ロボプログラムをダウンロードしていたらしい。
このままでは勝負にならないと、ポン子は茜たちはダブルスで構わないと提案する。
その提案に茜はハンデなんて要らないと憤るも、それは茜と二代目の距離を縮める為のポン子の作戦だった。
その作戦に乗る事にした茜は、戸惑い気味な二代目と二人、ポン子と一対二の卓球勝負を始めるのだった。
感想
今回は前回から引き続きの温泉旅館の話の他、煙草屋の猫、ポン子姉とタロー、雨の日とてるてるぼうず、風邪をひいた茜、焼き芋、ゲンジとポン子東京へ、七つのエピソードが収録されました。
今回はその中でも二話に渡って描かれたポン子の姉とタローの話が印象に残りました。
タローは現在、彼が住んでいる北海道の農家、その家に住んでいた老夫婦に拾われたロボットです。
彼は老夫婦がいなくなっても、広大な農場で彼らがいた時と同じように作物を育て続けています。
ポン子の姉は主人のノートに書かれた夢を、亡くなった主人に代わり叶える為、旅を続けています。
方やタローは誰に言われたのでもなく、自分の意思で農場の仕事を続けていました。
この作品だけでなく、ロボットの登場する物は数多く存在します。
その描写も様々で完全な機械として描かれる物もあれば、人と同じ感情を有しているように描かれている物もあります。
フィクションとして、それは作者が考えたロボットの思考パターンやイメージによる物でしょうが、実際に自己学習型のロボットが登場したらそれはどんな風になり、どんな風に見えるのだろうとタローのエピソードを読んでいて思いました。
私には老夫婦の思い出を胸に働き続けるタローが実際に存在すれば、もうそれは人では無くとも、命ある者としか思えない様な気がしました。
あと、焼き芋のエピソード、おなら(マイナスイオン)で飛ぶ描写はアラレちゃんを思い出しました。(ピースケみたく真似する人が出なくてよかった)
まとめ
今回のラストでポン子はゲンジと共に、ゆうなの暮らす東京へと向かいました。
次回はその東京でゆうなの中学の文化祭に参加するようです。
文化祭……どんな催しがありどんな事が起きるのか、今から読むのが楽しみです。
こちらの作品はビッグコミックBROS.NETにて第1話~3話までが無料で閲覧いただけます。
作者の矢寺圭太さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。