ミワさんなりすます 5 ビッグコミックススペシャル
著者:青木U平
出版社:小学館
推しの俳優、八海崇(やつみ たかし)の家にエリート家政婦、美羽さくらになりすまし入り込んだ久保田ミワ(くぼた みわ)。
八海との会食を終えたミワだったが、あまりの事にあの時間が本当に起こった事か自身で信じられないと感じていた。
そんなミワのそばでマネージャーの藤浦から昨日の事を尋ねられた八海は、ミワの事を振り返り藤浦に気づかれないよう、そっと人差し指を口の前で立てて微笑んだ。
登場人物
春鹿(はるか)
ミワのレンタルDVDショップ時代のバイト仲間
明るい髪色のセミロングの女性。
自虐気味に自分の事を語るが、言ってる内容は自分の有能さ。
阿部(あべ)
ミワのレンタルDVDショップ時代のバイト仲間
キャップに丸眼鏡、髭の男。
起業したらしく、仕事は現在、順調なようだ。
ミワの元カレ、紀土(きど)と春鹿、そして阿部は不器用で控えめなミワにマウントを取り、自分の自尊心を満たす相手としてバイト時代から認識していたようだ。
あらすじ
八海とのプライベートな二人だけの秘密の時間。
それが幻ではなかったと、八海の人差し指が教えてくれた。
そんなミワの前に元カレの紀土、そしてかつてのバイト仲間が現れる。
彼らから飲みに誘われたミワは、断り切れず飲み会に参加。
その飲み会はミワとよりを戻したい紀土が画策したものだった。
紀土は小心で人に気を使い、我を通す事のないミワの事を、心地よくマウントが取れる相手として気に入っていた。
バイト仲間の春鹿と阿部も、反論することのないミワを落とす事で自尊心を満たしているようだった。
そんな関係性は現在も変わらず、ミワは飲み会の席でも紀土達にダシにされていた。
しかしミワは八海の家で家政婦として働き、彼と話したことで何も言えなかった以前とは確実に変わっていた。
感想
今回は八海とプライベートな時間を過ごした事が夢だったのではと思うミワと、あの時間が幻ではなかったと確信させた八海の仕草から始まり、紀土とバイト仲間によるステルスマウンティングとミワ、紀土の理論と八海の存在感、ミワの事を認め始めたマネージャー藤浦、好意的に受け入れられることに苦しむミワと再び現れたスーパー家政婦、美羽さくら等が描かれました。
今回はその中でも、元カレ紀土と昔のバイト仲間たちのエピソードが印象に残りました。
紀土もバイト仲間の春鹿と阿部も、ミワの事を自分より下で自尊心を満たす相手として認識していました。
相手を気遣い、反論しないミワは彼らにとって都合のいい存在だったのでしょう。
ですが、八海と触れ合う事でミワの中に芯のようなものが出来たようでした。
その事は少し頼りないながらも、紀土に反論するなどミワに変化をもたらしたようです。
他者を見下し優越感を得る紀土達。
一方で譲れないモノ、揺るがないモノを手に入れたミワ。
その対比を見ていると、紀土たちの事がひどく薄っぺらに感じました。
まとめ
八海の家で家政婦を続け、マネージャーの藤浦からも信頼され始めたミワ。
そのことに苦しむミワの前に、本来、八海の家で働くはずだった美羽さくらが再び現れ……。
前回、ミワと八海の距離を縮める手紙を仕込んださくら。
そのさくらが今度はどんな事を話すのか。
次巻が気になります。
こちらの作品はビッグコミックBROS.NETにて第1話が無料で閲覧いただけます。
作者の青木U平さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。