殺し屋やめたい! 4 モーニングKC
作:外木寸
出版社:講談社
恋人のローズの事を理解しようと、組織の工作員、緋梅(ひばい)と共に難民たちが暮らす居住区にやってきた紅華(べにか)。
しかし、そこはバビロンと呼ばれる組織が作った非情な規則で統治された場所だった。
犯罪者は裁判なしに死刑にされ、他の軽犯罪者への見せしめとしてリンチされ殺される。
しかも、そのリンチを行うのは紅華と同世代の子供たちだった。
あらすじ
法のない難民居住区に秩序をもたらした組織(バビロン)。
その構成員は街に馴染んだ難民だという。
難民出身では珍しい医療系従事者だというローズ。
彼女は組織の暗殺者、レイドではないかと紅華はようやく考える。
そんな紅華に苦笑しつつ、緋梅はローズ本人に聞いてみればと紅華を焚きつける。
しかし、現在の関係を壊したくない紅華は、頭を抱え悩みこんでしまった。
このままでは時間ばかりが過ぎていく。
そう考えた緋梅は仲間にサインを送り、難民の集団に自分たちを囲ませた。
彼女の計画は難民に拉致されたと紅華に連絡させ、ローズが救出のために戦う場面を見せ、真実を知り紅華の父である神父の白船(しらふね)、紅華、ローズの関係が崩れを利用し教会に先んじて機密情報を奪う事だった。
だが、トラックに乗って現れた教会の工作員、サンギナリアによって緋梅の計画はすべて水泡に帰した。
感想
今回は難民居住区での拉致計画から始まり、大司教と紅華の接触、白船親子と殺し屋たちの食事会、神父、全てのピースがはまり真実に気付く、神父の覚悟とローズ対組織と教会の工作員、爆弾と大司教の計画、武装蜂起とローズの決断などが描かれました。
教会と組織、二つの勢力に翻弄される人々。
どうして人は派閥を作り争い合うのか。
譲れない部分はあっても、手を取り合い協力した方が幸せを掴めるんじゃないのか。
現在、世界中に存在する力によって支配された国々。
そんな国で暮らす虐げられた人々。
争いが生み出すのは常に悲劇で、力や恐怖による支配は負しか生み出さない。
それでも諦めず、明るい未来を目指すんだ。
ラストエピソードからはそんなメッセージを感じました。
まとめ
凄腕の殺し屋とポジティブな女の子の恋愛模様と、それに関係して暗躍する組織と教会の対立を描いた作品、最終巻。
作品の終盤、紅華がローズに言ったように彼女の希望が叶えばいいなと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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