亜童 2 ヤンマガKCスペシャル
著:天野雀
出版社:講談社
亜童と呼ばれる少年、エイトを拾ったフリーターのリコ。
彼女は知り合いの医師、直兄の所にエイトを連れて行きエイトの持つ力について調べようとしていました。
しかし力の発動は同じく亜童であるレンジに見つかり、リコたちはそのレンジを使う辻浦達、政府の部隊の襲撃を受けます。
リコは状況を変える為、レンジを挑発するのですが左肩を貫かれ倒れてしまいます。
そんな血を流し倒れた彼女の姿は、エイトが本来持っている力を解き放つ結果を生みました。
登場人物
下呂(げろ)
イカサマ師
チビデブで薄ら禿な出っ歯の男。
政府から逃亡したレンジとエイトを拾う。
世間知らずなレンジを利用し小金稼ぎに励む。
鈴木太郎(すずき たろう)
政府特別監査員をなのる男
眼鏡の背の低いおじさん。
見た目は典型的な日本人のおじさんだが、かなり強か。
志賀(しが)
研究所主任
長髪で歯の抜けたマッドなおじさん。
植物と人間の細胞の融合の研究をする実験施設において、その危険性を度外視し結果のみを追い求める。
殺処分される予定だった亜童の失敗作(狂暴すぎて危険と判断された)を回収し、秘密裏に育てていた。
彼らには縛る為の首輪は付けられておらず、ある約束によって志賀に従っている。
デミアン
志賀が育てていた失敗作の一人
スキンヘッドでデブの巨漢。
名前を間違えられると激高する。
以前、レンジに口を切り裂かれた。
アイン
志賀が育てていた失敗作の一人
瞳と手に包帯を巻いた牙のある少年。
リン
志賀が育てていた失敗作の一人
マスクで顔を隠したパンキッシュな女。
シオン
志賀が育てていた失敗作の一人
眼帯の様な眼鏡を着けた覆面の男。
情報に重きを置いている。
ジョー
志賀が育てていた失敗作の一人
首から左の額に掛けて傷跡のある髯の男。
女言葉で話す。
ハル
志賀が育てていた失敗作の一人
フードで顔を隠した無口な男。
あらすじ
血を流し倒れたリコを見た事でエイトは力を暴走させた。
その力は同じ亜童であるレンジを怯えさせる。
立ち竦んだレンジの横を抜け、エイトは彼の捕獲回収を目指していた辻浦の率いる部隊に攻撃を始める。
エイトの力はヘリを落とし、周囲のビルや車を引き裂いた。
気が付けばヘリは墜落炎上し部隊も周辺の住民を巻き込んで壊滅状態になっていた。
しかし、力を使い過ぎた為かエイトは移動した橋の上で意識を失ってしまう。
そんな沈黙したエイトに首輪をつける様、辻浦はレンジに指示を出した。
しかし、エイトの攻撃でボロボロになった部隊を見て、彼はその指示を拒否、逃亡を口にする。
反抗するレンジに辻浦は首輪の機能で電撃を浴びせかけた。
強力な電撃と辻浦の容赦ない暴行でボロボロになったレンジだったが、銃弾で両足を撃ち抜かれながら力を発動、橋の欄干を切り裂き、気を失ったエイトと共に橋の下の川へと落下するのだった。
感想
今回はエイトの暴走から始まり、レンジの反逆と逃亡、イカサマ師の下呂に拾われたレンジとエイト、そして二人を捕獲する為、放たれた失敗作たちの姿が描かれました。
暴走によってエイトは強力な力を振るう枷を外したようで、レンジも彼の力に怯えている様でした。
なんというか、別作品を持ち出すべきではないのでしょうが、読んでいるとAKIRAをどうしても意識してしまいます。
AKIRAでは力の暴走で崩壊し復興した所から作品は始まりますが、こちらはその崩壊前、力が弾ける前夜の様な印象を強く受けました。
暴走したエイトの力で東京全体が植物に飲み込まれるのでは。
そんな危うさを読んでいて感じました。
まとめ
次回は放たれた失敗作たちとエイトがぶつかるようです。
レンジや下呂がその戦いにどう絡むのか、先が楽しみです。
この作品はヤングマガジン公式サイトにて無料で第一話がお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。