亜童 1 ヤンマガKCスペシャル
著:天野雀
出版社:講談社
移民を受け入れ日本に様々な人種が溢れた時代。
正直さが原因で仕事の続かない19才のフリーター、冴木リコはトラックに轢かれそうになっていた少年エイトと出会います。
不思議な力を持つそのエイトとの出会いが、リコの運命を変えていきます。
登場人物
冴木リコ
19才のフリーター
金髪ピアスのロックなギャル。
相手が誰だろうと自分の心に従い行動する。
15歳までは宗教にハマり、リコの行動を縛り付ける母親が支配する家で暮らしていた。
その後、家出をしフリーターとして四年間生きて来たようだ。
エイト
亜童と呼ばれる不思議な力を持つ少年
黒髪の幼い男の子。
植物の蔓の様な物を体から発生させ操る事が出来る。
また身近な植物を操る事も可能なようだ。
エイトは能力は大きいようだが他人と争う性格ではない為、上手く力を扱う事が出来ない模様。
辻浦
軍人
恐らく亜童対策チームの指揮官。
階級は大佐。
レンジ
亜童の一人
十代半ばの少年。
鋭利な剣や槍の様な植物に体を変え、気に入らない者は排除する危険な人物。
嘘つきが嫌い。
首輪(亜童の能力制御と位置情報を行える)を外し自由になる事を望んでいる。
直兄
リコの知り合い
町医者。
エイトの体(人と植物の融合体)に知的興味を強く示し興奮していた。
ノア
亜童の一人
研究施設でエイトの事を気に掛けていた少女。
彼女はエイトの力を感じ取っていたようだ。
エイトを逃がす為犠牲となる。
あらすじ
フリーターの冴木リコはバイクでバイト先に向かう途中、道路でトラックに轢かれそうになっていた少年を助ける。
その後、バイト先に向かい小言を言われた腹いせに店長の秘密(ヅラ)事を言ってしまい首になる。
次の職場を見つけようとコンビニの店先で求人誌を見ていたリコは、昼間助けた少年が再度、横断歩道で耳を押さえ立ち竦んでいるのを見かけた。
放っておく訳にもいかず、保護し交番へ連れて行ったリコだったが、少年は警察官たちが保護施設に送る相談をしているのを聞き、不思議な力を使って植物を操り警官から拳銃を奪い発砲。
混乱の隙を突き逃走する。
逃げ出した少年、エイトを追い掛けたリコは、追いついた公園で彼の事を聞こうと自身の身の上話を語る。
しかしエイトは俯き黙り込んだままで自分の事は話そうとはしなかった。
不満げに舌を鳴らしたリコの耳にエイトの腹の音が響く。
それを聞いて思わず噴き出したリコは、エイトを食事に誘った。
感想
植物を操る亜童と呼ばれる子供達。
政府が関わっているであろう極秘研究施設と軍隊。
移民を受け入れ混沌とした少し先の未来。
そしてアウトローな少女と無口な少年。
一巻では研究の内容や目的はまだ描かれていませんが、楽しくなりそうな要素てんこ盛りな感じでした。
作中では主人公の冴木リコという少女が特に心地良かったです。
命の危険を感じながらも、自分を拒絶したエイト(エイトはリコを巻き込みたくなかったようです)に手を差し伸べる強さ。
圧倒的な力を持った相手に啖呵を切る度胸(エイトと自分を重ね胸の内をぶちまけただけかもですが)。
とても素敵でした。
まとめ
今回はとても気になる所で物語が終わっていました。
早く次巻が読みたいです。
この作品はヤングマガジン公式サイトにて無料で第一話がお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。