怪異と乙女と神隠し 2 ビッグコミック
著:ぬじま
出版社:小学館
蓮(れん)の依頼で彼の妹、乙(おと)の通う小中高一貫校コオネ女学院に潜入した菫子(すみれこ)。
怪異の痕跡が見える乙と協力して学院に潜む怪異を探っていたのですが……。
登場人物
呻目真奈美(うなめ まなみ)
コオネ女学院の教師
天然で可愛いらしい印象の女性教師。
その見た目に反して下着は黒いエッチな奴らしい。
いじめに対し過剰な反応を示す。
のどか
コオネ女学院の生徒、乙の友人
髪の長い小柄な少女。
珠緒(たまお)
コオネ女学院の生徒、乙の友人
日に焼けたショートカットの少女。
ゴシップ好き。
エリカ
コオネ女学院の生徒、乙の友人
キリっとした目の姉御肌の女子。
麻里(まり)
コオネ女学院の生徒、乙の友人
温厚でおっとりした印象の黒髪女子。
実家は銭湯。
むっつり。
時空のおっさん
異界の街に住む中年のおじさん。
中折れ帽に無精ひげ、くたびれたシャツを着たおじさん。
蓮とは顔なじみらしく様々な品を融通してくれる。
シズク
眼鏡ショートのパンキッシュな女性
雨の日に行方不明になった友人トモコを探している。
あらすじ
生徒を気に掛ける優しい教師。
そんな印象の女性、呻目が学院での怪異の元凶だった。
化野が導き出した怪異の正体は牛鬼。
それに影を舐められた物は唾液を垂れ流し、体が火が点いたように熱くなり死に至るという。
菫子を囮に使い、呻目をおびき寄せた蓮はその怪異の原因である呻目の髪留めを渡すよう彼女に迫る。
だが、髪留めの力を使い虐めの根絶を目指す呻目はそれに抵抗。
頭突き一発で蓮をダウンさせた。
菫子はいじめを失くしたいのに、生徒を傷付けては本末転倒だと呻目を説得。
時間を掛けて無くしていこうと髪留めを渡すよう右手を差し出す。
呻目はその菫子の説得に応じ、菫子に歩み寄ったかに見えた。
しかし、呻目は今いじめられている子に時間は無いと菫子の頬を舐めた。
呪いは菫子の体を蝕み、彼女は唾液を垂れ流し、その身から炎を吹き出した。
感想
今回は前回から引き続き、ヨダレカケのお話から始まり、菫子、乙、呻目の銭湯とお泊り、蓮と時空のおっさん、そして雨の日に消えた親友を探す女性、シズクの話の始まりが収録されました。
今回はその中でもヨダレカケ、呻目先生の過去の話が印象に残りました。
彼女は幼い時に両親と死別し、母方の祖母と暮らしていました。
しかし、金銭的な事情から服などが他の子達と異なり(セール品、祖母の手作り等)それがいじめの切っ掛けとなってしまいます。
別作品ですが『ミステリと言う勿れ』の二巻で主人公の整がいじめはいじめている側に問題があると言っていました。
確かにそれもあるのでしょうが、それ以上に人は本能的に群れの基準と違う者を排除する傾向があるのかもしれません。
ただ、それは理性では無く、野性的な物の様に感じます。
本能に従うのは容易く、理性で己を律するのは難しい。
ですが、それは知識によって補える気もします。
なぜ自分がその人物をいじめたいのか。
その理由を知れば、嗜虐心に支配される事に愚かしさを感じる人も増える様な気がします。
呻目先生の過去を見ていてそんな事を思いました。
まとめ
登場人物、設定、絵、ストーリ、そのどれもが素晴らしく、そのどれもが私の琴線に響きます。
早く三巻が読みたいです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。