ミステリと言う勿れ 5 フラワーコミックスアルファ
著:田村由美
出版社:小学館
病院で出会った、暗号を操る美女ライカ。
彼女に導かれた整は火災現場に辿り着く事になります。
登場人物
天達(あまたつ)
整の大学の教授
話が脱線し別の話を語る事が多い。
整の進路について相談に乗っているようだ。
陸(ろく)
サングラスをかけた言葉遣いの荒い男
あだ名はカエル。
その容貌と苗字から名付けられたらしい。
井原香音人(いはら かねと)
刑事の青砥が連続放火犯だと睨んでいる青年
優しい面差しの美青年。
犠牲者はいないが放火の前科あり。
過去のトラウマで医療少年院に収監されていた。
シシ
香音人が可愛がっている猫
頭の柄がシチリア島(シシリー島)に似ている。
あらすじ
ライカのメッセージで辿り着いた場所には、桜の木に封筒がピン止めされていた。
病気に弱い桜を傷付けたライカに多少憤りながら、整は封筒を開ける。
封筒には壁に描かれたマークが写された写真が二枚入っていた。
写真の裏には住所が書かれている。
行けって事!?
そう思いながらも、気になった整は写真の住所を訪れた。
そこは野次馬が集まり、見れば青砥達、県警の刑事も駆け付けていた。
野次馬に話を聞けば、昨夜火事があり子供一人だけが助かったそうだ。
きになった整はもう一枚の住所にも向かう事にした。
向かった先ではやはり火事で住宅が焼け落ちていた。
焼け残ったブロック塀には写真のマークが描かれている。
それを確認していた整の後ろに突然現れたライカは、この場所は先月焼けたのだと説明する。
そしてここでも、助かったのは子供だけらしい。
その現場から車で病院に戻ったライカは、共に戻った整に病院の壁を示す。
病院の壁にも放火現場の壁と同じマークが大きく描かれていた。
感想
今回は謎の女性、ライカに導かれた整が出会った連続放火事件が一冊まるっと使い描かれました。
作中、放火犯は虐待されている子供がいる家庭を狙い、虐待の被害者である子供に親を排除するか選択させ、犯行を続けています。
彼の行為は正当化されるべきものとは思いませんが、ニュース等で目にするネグレクトや暴力の話を聞くと助けたいと思う気持ちが湧いてくるのも分かります。
虐待の話では、引き離された親たちは何故か懇願し心を入れ替えたと言って、子供を取り返すケースを耳にします。
しかし、その後は再び育児放棄や虐待が再発し不幸になる事があるようです。
現在の日本では親権を持った親の存在が強く、施設や役所では対処しきれないのが現状のようです。
親子であっても上手くいかない事はあると思います。
それは別の人格を持った他者であるので当然だと思います。
しかし、子供は自立する為に庇護者を必要とし、また未成熟な精神は親を求めるものだとも思います。
以前に二巻で整が言っていたいじめはいじめる側に問題があるというのと一緒で、育児放棄や虐待は親の環境や精神状態に問題がある様に思います。
おかしいの一言や無責任だと責めるのでは無く、何が問題なのか、分析し解決法を探す仕組みが出来ればいいなと思いました。
幼い子供や赤ちゃんが何も知らないまま消えていくのは、悲しくて切ないです。
まとめ
作中、星座のマークを刻まれたアクセサリーを身に着けている人々。
彼らの関りは? ライカとの関係は? そもそもライカは何者?
そんな疑問符が次々と湧いて来ました。
この作品は月刊fiowers公式サイトにて第一話が無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。