青野くんに触りたいから死にたい 7 アフタヌーンKC
著:椎名うみ
出版社:講談社
四つ首様から大翔(ひろと)、結菜(ゆいな)、希美(のぞみ)を助ける為、優里と藤本は夏祭りの行われている加賀智山(かがちやま)へ向かいました。
ですが希美の姿をした何かに優里は一人引き離されます。
その後、少年の姿の青野に導かれ彼女は山に引き寄せられた結菜と希美と合流、引き離されていた高校生の青野と藤本も山中の池の前で加わります。
そんな彼らの前に行者の行列が姿を見せます。
その行列には同じく引き寄せられた大翔の姿もありました。
あらすじ
行者と共に行進していた大翔は彼らと共に池の中へと消えた。
黒青野は大翔を助けたいたいなら、結菜と希美も池に飛び込み大翔の死んだ弟、蒼太(そうた)の首を切れと言う。
蒼太の首を切るのを嫌がる結菜達に黒青野はやらなければ大翔だけが助からないと伝えた。
「夜明けまでに首を切ってこい」
青野の言葉に泣いて嫌がる結菜達を見て、優里は自分もついて行くと黒青野に告げた。
黒青野はその提案を受け入れ、自分も行くつもりだった藤本には残る様に指示を出す。
何故と憤る藤本に池の底は蒼太の場所で、繋がりを残さないと元の場所には戻って来られないと黒青野は説明した。
その後、彼は結菜達にヘアピンとヘアゴムを藤本に渡す様に促す。
身に着けた対となる物を残る藤本に渡す事で道しるべとするようだ。
黒青野は優里が帽子ぐらいしかないと言うと、笑みを浮かべそれでいいと答えた。
それぞれ物を藤本に預け、大翔を救う為、優里たちは池の中に飛び込んだ。
気が付けば悠里はマンションの一室で座り込んでいた。
一瞬呆然とした優里だが、鍋が噴いているのに気付き慌てて駆け寄り火を止める。
彼女は青野と一緒に暮らしており幸せな生活を送っている。
そんな架空の設定を優里は何故か違和感なく受け入れていた。
感想
今回は冒頭の池に飛び込む場面から優里たちはそれぞれが別々の幻の様な世界で過ごす事になります。
飛び込んだ一人である優里は成長した姿で青野との同棲生活を疑いなく続けていきます。
当初は恋人として幸せに過ごしていましたが、やがて青野は黒青野として優里の体を傷付けその肉を喰らい始めました。
当初、成長した青野との生活を優里がすんなり受け入れたのは彼女の望みがそれだったというのも大きいのでしょうが、イメージ的に夢を見ている時と同じ状態だったからでは無いでしょうか。
夢の中では結構無茶な設定であってもそれを現実として受け入れているように思います。
今回の優里もそんな風に違和感なく青野との生活を受け入れたのではないかと読んでいて思いました。
また、優里の姉、翠(みどり)の性格が歪んでいる原因が母親にある事が分かって来ました。
もしかしたらその母親も彼女を育てた親に影響されているのかも知れません。
想像でしか無いですが何となくそんな気がしました。
まとめ
この巻で大翔たち小学生が起こした四つ首様にまつわる事件は終了です。
次回からは新章に入るみたいですが、今回伏線として優里の家、刈谷家にも色々ありそうな事が示唆されました。
その辺りが青野が幽霊になってしまった事とどう関わるのか、今から読むのが楽しみです。
この作品はpixivコミックにて一部無料で読む事が可能です。
作者の椎名うみさんのアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。