超音速の魔女 ”SUPER SONIC FLYING WITCH” 1 楽園コミックス
著:あさりよしとお
出版社:白泉社
蒸気機関が蒸気タービンに進化し、ガソリン内燃機関のエンジンが生まれ馬車が自動車に代わっていた頃。
少年発明家のオガルは翼を使い空を飛ぶ、飛行機の研究に精力を傾けていた。
しかし彼の試みは今のところ実を結んではいなかった。
そんな時、ライバルである帝国の少女ツッペが飛行船で彼の国を訪れ……。
登場人物
オガル
資産家の少年
黒髪の男の子。
発明好きでガソリンエンジンによる飛行機の研究に打ち込んでいる。
父母を亡くし現在はメイドのワヤと二人、屋敷で暮らしている。
ワヤ
オガルの家のメイド
金髪の女性。
オガルの家のメイド。
ツッペ
帝国科学アカデミー所属の発明家
黒髪眼鏡でおさげの少女。
飛行船でオガルの国を訪れる。
オガルをライバル視し事あるごとに張り合うが、内心では彼のことが気になっている様子。
ヤバチー
政府の人間
中折れ帽に眼鏡の男。
ツッペの作った飛行船に軍事的な脅威を感じる。
マーカス
少年自動車王
金髪オールバックの少年。
自動車工場を作り、流れ作業での大量生産を実現した。
人類の夢として飛行機の実現を目指すオガルとは違い、ビジネスとして飛行機に興味を持つ。
ボッコ
マーカスの工場で働いていた少女
黒髪ショートの少女。
工場を首になりオガルに雇ってほしいと頼む。
あらすじ
夜な夜な試作の飛行機に乗り、飛行実験を続けている少年オガル。
そんな彼の住む国に、帝国の発明家ツッペが飛行船に乗り訪れる。
ツッペはライバル視するオガルに飛行船を自慢するが、飛行船の原理自体は百年前から存在する気球と同じだ。
オガルが目指しているのは、翼の揚力を用い鳥のように自由に飛ぶ飛行機だと反論する。
しかし、現状、軽量で強力なエンジンは無く、全ては机上の空論だった。
明日には首都を訪問するというツッペと別れ、オガルは車で帰途に就く。
その道中、ともに飛行船を見学した政府の人間、ヤバチーの言葉を思い出す。
彼は軍事的な観点から、飛行船も含めた飛行機械の存在を危惧していた。
地形を無視し最短距離を進み、上空から軍事拠点や行軍の様子もうかがえ、一方的な攻撃も可能な飛行機器。
戦争になれば大きな脅威なる。
そんな脅威を持った帝国の飛行船が、首都の上空を飛ぶ。
それを許す訳にはいかない。
そんなヤバチーの言葉を聞いたオガルは、帰宅後、メイドのワヤを呼ぶ。
オガルの家で働くメイドのワヤ。彼女は箒にまたがり空を飛ぶ、いわゆる魔女だった。
感想
飛行機の発明前、飛ぶことを夢見る発明家の少年オガルと、魔女のワヤによる冒険活劇。
一巻ではオガルの試作飛行機は推進力の問題から、ワヤの力を借りて飛ぶ仮初のものでしかありません。
ただ、作中の実験の様子から軽量で力のあるエンジンさえあれば、飛ぶことは十分可能だと思われます。
揚力と推進力、機体構造の合理化と操作系の構築など、実用化には現状まだまだ問題がありますが、オガルがどのようにそれを克服するのか先が楽しみです。
まとめ
はるか昔から鳥のように空を飛ぶ事は、人類にとって夢だったように思います。
作中語られたように戦闘機のような武器としての使用もありますが、最初に空を目指した人々はただ純粋に空を飛びたかっただけなんじゃないかな。
エピソードを読んでいて、そんな事を思いました。
この作品は白泉社公式サイトにて無料で試し読みが可能です。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。