ノー・ガンズ・ライフ 11 ヤングジャンプコミックス
著:カラスマタスク
出版社:集英社
復興庁国防局局員、メレル・ダッチからの依頼を受け、毒ガスを抱えた飛行型拡張体であるスカーレット(床屋の娘)の本当の父親、シルバの撃墜を阻止しようと動いていた十三達。
シルバを撃墜しようとしていたガンスレイブユニット、セブンを止めた十三でしたが、セブンとは別の誰かがシルバに向けて銃弾を放つのでした。
登場人物他
メレル・ダッチ
復興庁国防局情報部職員
そばかす黒子の美女。
綺麗好き。
十三にシルバの撃墜阻止を依頼する。
硫黄と繋がりが有る様だ。
シルバ・エル・ゴスリング
スカーレットの父親
兵士として戦争に参加し、特殊な拡張処理を受ける。
それは頭部と補助脳だけを乗せた飛行ユニットで、太陽光により半永久的に飛び続けるという非人道的な兵器だった。
現在は街の上空を毒ガスを抱えている可能性を持ったまま飛んでおり、十時間以内に墜落すると予想されている。
墜落予想地点はベリューレン社屋。
毒ガスの汚染範囲は半径五キロ。
オネスト
ベリューレン社COO(最高執行責任者)
自らの目的の為、他の執行役員を排除する。
根(ヴルツエル)
ベリューレンの最高責任者達の総称
COOオネストを含む四人からなるベリューレンの意思決定を司る者達。
メアリー
拡張処理技師
ヴィクターの死を乗り越え拡張処理技師と活動中。
酸座(さんざ)
AH(アラハバキ)シリーズの一人
ベリューレンに反旗を翻した硫黄から、並列補助脳を持つ凛子(AHシリーズの一人)を奪還する為派遣される。
荒幡水素(あらはばき すいそ)
十三のかつてのパートナー
鉄郎と同じくハルモニエの適合者。
あらすじ
スカーレットの父親、シルバはかつて拡張体開発を担う企業を経営していた床屋の親父の弟だった。
親父はマフィアと繋がりのあったシルバを会社から遠ざける為に戦争へと行かせた。
その何年も行方不明だったシルバが街へ帰ってきた。
親父はシルバが帰ってきたのは、世間体を気にして彼を戦場へ自分への恨みからだと感じていた。
その為に帰って来たのならせめて迎えに行ってやらんと。
親父はスカーレットにそう話し一人、シルバの残したバイクに火を入れた。
彼は街の上を飛ぶシルバにバイクで並走しながら声を張り上げる。
「そっ、そんなの、きっ、聞こえるわけ…ないじゃない」
親父の操るバイクのサイドカーにはいつの間にかスカーレットが乗り込んでいた。
感想
今回は前巻からの続きであるスカーレットの父親、シルバのお話から始まり、クローネンの車選び、ローサとオリビエ、ベリューレンに反乱を起こした硫黄と凛子、そして十三のハンズだった荒吐水素と十三の再会等が描かれました。
この巻ではベリューレンのCOOオネストの目的、硫黄の望み、そしてハルモニエの生まれた理由などが語られ、物語は段々とクライマックスに向かっている様に感じました。
作中、硫黄は共にベリューレンと戦おうと鉄郎が差し出した手を払いました。
硫黄の気持ちも分かる気がします。
ハルモニエの適合者である鉄郎と水素。
そんな二人の為の実験体である硫黄達アラハバキシリーズ。
自分達は鉄郎達が移植されるハルモニエの為のテストプランでしかない。
何となくですが、持つ者が持たざる者に手を差し伸べた様に硫黄には感じられたのでは無いでしょうか。
そんなシリアスな展開の中で、旧車マニアであるクローネンのエピソードはコミカルで楽しかったです。
あの人、本当に車が好きなんですねぇ……まぁ、私も読んでいて「あっ!?」ってなりましたが……。
まとめ
次回は硫黄と水素の対決になるのでしょうか。
敗北も覚悟で挑む硫黄、対して十三の圧縮構造体を組み込んだ操作体を操る水素。
そこに十三と鉄郎がどう絡むのか、次も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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