水は海に向かって流れる 3 KCデラックス
著:多島列島
出版社:講談社
二巻では直達の父が雇った探偵の調査により、榊の母親の居場所が分かりました。
しかし母親の不倫相手だった直達の父の罪悪感を軽くしたくないと、榊は母親に会う事を拒否。
だったら自分が会って怒りたいと直達は榊の母と会う事を望みました。
あらすじ
榊と共に直達は彼女の母親へ怒りをぶつけようと、現在榊の母が暮らしている家へと向かった。
その家で榊の母は既に再婚し別の家族を築いている様だった。
直達はまだ小さな娘を送り出す榊の母の姿を見て、榊と共に一度は逃げ出したが、榊が母親を無関係な者として自分の中で処理しようとしているのを感じ、思わず駆け戻りインターホンを押してしまった。
出て来た母親は榊の姿を見て、彼女が成長した自分の娘である事に気付いた。
そんな母親に榊はジャネットと偽名を名乗りつつ、直達の事は不倫相手の熊沢の息子だと正直に告げた。
一瞬止まった母親は二人を家に上げ、二人がどこで知り合ったのかから会話を切り出した。
その後、榊の父親の事、直達の父の事と話は流れ、榊の母は怒っているから謝って欲しいんじゃないのと榊に尋ねた。
沈黙した直達達に、今の生活をめちゃめちゃにしに来たの?と榊の母は尋ねる。
更に彼女はしたいなら早くしろ、自分もこんな風に幸せになってはいけない人間だとずっと思ってきたと二人に告げた。
直達は以前、榊が言っていた罪悪感を軽くするという話を持ち出し「帰りましょう」と榊に告げた。
感想
今回は榊の母親とのエピソードから始まり、その後、それを乗り越え約束を結んだ榊と直達の様子が描かれました。
作品的には親同士が不倫した家の息子と娘という、凄く複雑な関係の二人の恋のお話でしたが、なんというか主要な登場人物が全員不真面目(真面目なんだけど反応や受け答えが独特)ので重くなる事なく読む事が出来ました。
直達の父や榊の母親は正直、好きになれませんでしたが(不倫どうこうでは無く彼らは結局自分の事しか考えていないように思える)、それ以外の人々はとても可愛く読み込む程にドンドン好きになっていきました。
作品は完結しましたが、彼らの後日談が読んでみたいと強く思う作品でした。
まとめ
作品はこの巻で完結です。
胸の中にあったモヤモヤが全て洗い流されるような、そんな読了感の物語でした。
最後にムーちゃんは大きくなってもスーパー可愛かったです。
この作品は、pixivコミック、マガポケにて一部無料で閲覧いただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。