黒鉄のヴァルハリアン 3 ヤングジャンプコミックス
著:松原利光
出版社:集英社
かつて敵だったモンゴル帝国軍。
鎌倉武士、相馬鉄二郎はその総大将、フビライ・ハーンと手を組み、敵の首魁、ワルキューレのカーラを討つべくミズガルズの中心、世界樹に作られたカーラの砦へと潜入する。
その道中、襲って来た加護持ちの剣闘士を関羽は足止めする為、一人残り返り討ちにした。
そんな関羽の活躍もあり、鉄二郎達は何とか砦に潜入する事に成功するが……。
登場人物
スパルタカス
古代ローマ帝国に反乱を起こした剣闘奴隷
体中に剣が突き立てられた金髪の巨漢。
左手の鎖を鞭の様に使い対戦相手を破壊する。
瞳に受けた呪いで全ての者が敵に見えている。
世界樹の地下にある闘技場で戦い続けている。
クリクソス
スパルタカスと同じ日に剣闘奴隷となった女性
黒髪隻眼の女。
スパルタカスの呪いを解く為、彼との戦いを続けている。
あらすじ
砦に侵入した鉄二郎を出迎えたのは酒宴を楽しむローマ軍の指揮官、マルクスだった。
彼はモンゴル兵の中に潜伏させたオエノマウスから、鉄二郎達の動きについて報告を受けていたのだ。
マルクスは自分達にとっての楽園を破壊する存在として、鉄二郎を危険視していた。
そんなマルクスは鉄二郎の身柄と引き換えにハーン以下、モンゴル軍がヴァルハラを抜け生還する事を提案。
鉄二郎は一人でも戦おうと刀を構えるが、次の瞬間には捕らわれハーレムの構成要員となっていたミズガルズ人の女の首が切り裂かれた。
下手に動けば女が殺される。
ハーンは全面対決を望んだが、鉄二郎は自ら捕らわれの身となる事を選んだ。
鎖に繋がれ鉄二郎が導かれたのは、世界樹の幹の中だった。
空洞となった空間ではローマ兵も含めた死戦士たちが様々な拷問を受け、うめき声をあげていた。
案内した者達によればカーラはその様を楽しんでいるらしい。
それを聞いた鉄二郎は小さく笑みを浮かべた。
彼は安心していた、斬りたい相手が反吐が出る様な邪悪である事に。
改めてマルクスとカーラを斬る決意を固めた鉄二郎が辿り着いたのは最下層に作られた闘技場だった。
彼はその闘技場で古代の英雄スパルタカスと戦う事になる。
感想
今回は砦への侵入から始まり、地下闘技場でのスパルタカスとの戦いがメインで描かれました。
カーラの力によって愛刀月震を作り出す事を封じられた鉄二郎は、見る者全てがローマ兵に見える呪いを掛けられ、狂戦士と化したスパルタカスと戦い、死戦士となって初めて命を失う事になります。
この作品ではワルキューレに呼び込まれた死戦士は、死んでも鐘が鳴れば蘇ります。
その復活は無限かと思っていましたが、死ぬ事で記憶の一部を失うというデメリットがある様でした。
前巻で鉄二郎が救ったフレスベルグに食われ続けていた死戦士、ドラ。
彼が過去を思い出せないのもそれが原因のようです。
死ぬ事で失われる思い出、それは取り戻す事が出来るのか。
鉄二郎は息子武丸の記憶を失う事無く、現世に帰る事が出来るのか。
次巻も楽しみです。
まとめ
次巻はいよいよ敵の総大将、カーラが出張って来るようです。
どんな展開になるのか、読むのが楽しみです。
この作品はとなりのヤングジャンプにて一部無料でお読み頂けます。
作者の松原利光さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。