底辺チューバ―が宇宙戦争を撮ってみた 2 ジャンプコミックス
原作:渡辺恒造
作画:バナーイ
出版社:集英社
マリエの“かじまるTV”はどこからか調達した武器で、宇宙人のマシンを攻撃する事で神無(かんな)の上げた動画よりも再生数を伸ばしていました。
同じ路線では彼女に勝てないと考えた神無は、宇宙人の秘密を暴く事で世界中から注目されようと方針を切り替えます。
登場人物
佐伯幸之助(さえき こうのすけ)
人気Vチューバ―湯川助手の中の人
知識とデータに基づいた解析によって、宇宙人の技術を解析する動画をアップし人気を得ている。
チャンネル登録者数は百万越え。
彼の話している用語の殆どが私には分からない。
あらすじ
ド派手な“かじまるTV”に勝つ為、神無は宇宙人の秘密を探る方向で動画制作を始めた。
しかし、神無も動画制作に協力している綾瀬(あやせ)も科学的なアプローチが出来る程、そちら方面の知識は持ち合わせていなかった。
そんな二人の前に一人の少年が現れる。
佐伯幸之助と名乗ったその少年は、科学系Vチューバーとして人気を得ている湯川助手の中の人だった。
彼は神無の撮影した宇宙人関係の動画、そのチャンネルにアップされていない未編集の物に興味を持ち、わざわざ山梨からやって来たのだという。
対価を支払うと言った幸之助を部屋に上げた神無に、映像を確認した彼は「僕と組みましょう」とチームを組む事を提案した。
感想
今回はブレーンとして佐伯幸之助という頭脳系小学生が登場しました。
彼は機械に強く、その知識と技術で神無をサポートする裏方的な存在です。
この巻ではそんな理性に重きを置く幸之助の活躍の他、宇宙人のマシン工場、そして作り出されるマシンの原料についてが描かれています。
また、一巻でも少し触れられた神無の家庭についても語られました。
彼女が人から見られる事を強く欲する理由、自分の命よりも動画の受けを気にする訳は自分を見てくれない両親に端を発していたようです。
人は他者との関りによって、自分の形を決めていく部分がある様に思います。
何をやっても誰からも相手にされないなら、自分が存在する意味に疑問を持つのでは無いでしょうか。
神無は命がけで動画を配信する事で多くの人の反応を貰い、初めて自分が生きていく意味を見出した様に思います。
ネットの登場で個人であっても才能と努力、そして運次第でタレントよりも有名になれる時代になりました。
しかし、作品を読んでいるとネットでの繋がりは人間同士のコミュニケーションの一部を切り取った物の様に感じます。
顔を見て、体温を感じ、声を聞く。
実際に会う事によって伝わる事の多さってあるなぁと終盤を読んでいて改めて思いました。
まとめ
今巻の終盤、見知らぬ沢山の誰かでは無く、近くにいる人々に必要とされる喜びに彼女は気付いたみたいでした。
その事で神無がどんな道を選ぶのか、次巻も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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