雪女と蟹を食う 6 ヤンマガKC
著:Gino0808
出版社:講談社
痴情のもつれから起きた放火事件。
マリアの店で起きたそれを北は食い止め、店に残っていたマリアを無事助け出しました。
その事を北に感謝するマリアの同僚、涼香の姿を見た彼は帰りのタクシーの中、一人涙を流すのでした。
登場人物
理比人(りひと)
マリアの子供
生まれる前にこの世を去った。
あらすじ
北の涙の理由、それは涼香の感謝に喜びを感じてしまったからだ。
かつて消防士として働いて時、救えた人の感謝は彼の原動力であり誇りだった。
しかし彩女を襲い本当の犯罪者となってしまった今、純粋な感謝は彼にとって心を抉る物でしか無かった。
事情を知らないマリアは、沈んだ様子の北を元気付けようと彼を買い物を口実に部屋から追い出す。
突然部屋から追い出された北は、戸惑いながらも彼女の指示通り買い物を済ませ部屋へと戻った。
買い物袋を抱え戻った北を出迎えたのは、ニュークラブの様にコーディネートされた部屋とドレスアップしたマリアだった。
彼女は燃え盛る店を守り、自分を救ってくれた北への恩返しとして雰囲気だけでも味わってほしかったのだ。
高価なワインとフルーツを味わいながら、マリアは北に過去を尋ねる。
しかし北は「面白い事なんか1ミリも……」とグラスを傾けた。
マリアはそんな北の手に自らの手を重ね、もっと北の事が知りたいと潤んだ目を彼に向けた。
感想
マリアの命を救った事で彼女は北への想いを強くした様でした。
そんな彼女に話すつもりの無かった過去を打ち明けた北。
マリアは全てを聞いた上で自らの過去も打ち明け、北に一緒に生きようと言いました。
帯に書かれていた様に、今回は共に生きようとするマリアと、共に死のうとしている彩女、そのどちらを北が選ぶのかが描かれました。
作品の冒頭では北は全てに絶望し、自暴自棄となって死を選ぼうとしていました。
ですが本来の彼は、他者の為に命を張る事に喜びを見出す人物だったようです。
物語は死では無く、生を求め動き始めた様に感じました。
まとめ
マリアと彩女、どちらも魅力的な女性で選べと言われても難しいと思います。
そんな中、北の選択はやはり彼の本質に沿った物だったと感じました。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。