ふたりソロキャンプ 4 イブニングKC
著:出端祐大
出版社:講談社
雫とのキャンプが楽しくなってきた厳でしたが、彼女はプライベートで忙しくなり暫くふたりソロキャンプは行えないようでした。
厳も厳で仕事が忙しく、キャンプに行けないストレスを新たなギアを買う事で解消していました。
登場人物
芹澤花夏(せりざわ かな)
厳の昔の恋人
サバサバとした快活なショートカットの女性。
歩み寄ろうとした彼女を厳はキャンプに決して連れて行こうとはしなかった。
その事や自分の思いを言葉にしない彼の性格も相まって、喧嘩別れしてしまう。
あらすじ
雫の事と仕事の忙しさもあり暫くキャンプを行えていなかった厳は、いよいよ我慢できなくなり新しく購入したギア(机)を持って河原へとデイキャンプに出かけた。
焚火を起こしコンビニの焼き鳥を肴にノンアルコールビールを開ける。
久しぶりの焚火と食事、そして新たに買った机にご満悦な厳の下に、袴を着た雫が姿を見せる。
どうやら今日は短大の卒業式だったらしく、晴れの日の衣装を厳に見せに来たらしい。
「袴可愛くないですか?」
そう言って微笑む雫に厳は茫然と見入ってしまった。
「見惚れてましたね?」と揶揄う雫に厳は誤魔化す様に、火花が散るから離れろと声を上げた。
以前のキャンプで新生活が始まるバタバタで、暫くキャンプには行けないと雫からは聞いていた。
彼女は短大を卒業後、今度は調理師の専門学校に通うらしい。
久しぶりに会ったぎこちなさもすぐに解れ、雫は厳が焚火の側に置いていた缶について聞いた。
服を汚すなよと手渡された缶の中には、真っ黒な布のような物が入っていた。
彼が作っていたのは“チャークロス”。
炭化させた布で焚火の火口(ほくち)として利用する物だった。
感想
今回は冒頭のチャークロスの制作から始まり、厳の父親の死、かつて彼の恋人だった花夏の事の他、道具を運ぶザックについて描かれました。
父の死は元々人付き合いが苦手だった厳を更に孤独にしていった様でした。
的外れかもしれませんが、彼が友人の彰人や恋人だった花夏にも少し距離を置いて接していたのは、大切になり過ぎた人を失うのが怖かったからかではないでしょうか。
またザックのパッキング(荷物の詰め方)は非常に興味深かったです。
キャンプ道具は好きですが、パッキングについては適当だったので何となく重い物を下に詰めていました。
作中、解説されていたのは全く逆で軽い物を下、重い物は上という物でした。
ベテランキャンパーには当然の知識なのでしょうが、にわかな私にはちょっと驚きでした。(バイクや車で移動していたので収まればいいと思ってました)
あっ、あと、雫の袴姿は凄く可愛かったです。
まとめ
今回の雫の料理は中華三昧でした。
中華は油を使う物が多いのであまりアウトドア向きとは思っていませんでしたが、雫の様に下ごしらえすれば外でも中華を楽しめそうです。
焼きシュウマイ、美味しそうでした。
この作品はイブニング公式サイトにて第一話が無料でお読みいただけます。
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