葬送のフリーレン 8 少年サンデーコミックス
原作:山田鐘人
作画:アベツカサ
出版社:小学館
弟子のフェルンが一級魔法使いとなり危険な北部への立ち入りが許可されたフリーレン達。
彼らは魂の眠る地(オレオール)を目指し旅を続ける。
登場人物
ファス
北部高原ビーア地方の町で皇帝酒(ボースハフト)を探す老ドワーフ
シルクハットに赤ひげのドワーフの老人。
200年以上、最上の銘酒だという皇帝酒を探している。
フリーレンに皇帝酒があるだろう、魔法で封じられた扉の解除を頼む。
ミリアルデ
フリーレンの知己
ショートボブのエルフの女性。
人生をかけて探したものが何の価値もなかったようで、エルフの里で何もせずに過ごしている。
里に来る前に、皇帝酒に関する碑文を残した。
ノルム
武装商会ノルム商会の商会長
茶髪の青年。
フリーレンに80年前の借金の返済を迫る。
借金は先々代が勇者一行に無期限で提供した資金。
現商会長のノルムは魔族の戦いで壊滅した北部流通網の復活のため、フリーレンに借金返済の代わりに銀鉱山開発への協力を求めた。
レヴォルテ
頭部に角を持つ四本腕で下半身が蛇の魔族
将軍と呼ばれる強力な魔族で、四本の腕で魔力で作り出した剣を操る。
神技(しんぎ)のレヴォルテと呼ばれ、魔法使い試験の試験官だったゲナウの相棒を殺害した。
メトーデ
魔法使い試験の合格者、一級魔法使い
栗色ロングヘア―な女性。
北部で魔族を狩りをしていた一族の出身。
一族の者達と違い魔法を楽しいと感じている。
あらすじ
北部諸国、ナーハリヒト地方へたどり着いたフリーレン一行。
彼らは北部高原の関所を超え、多種多様な魔物と戦いながら旅を続ける。
三日三晩、野宿しながら移動を続け、一行は森の中の集落へとたどり着いた。
集落ではフリーレン達の求めに応え、宿替わりに小屋を提供してくれた。
その見返りとして街道に出る強力な魔物の退治を依頼される。
集落を訪れる冒険者などほとんど無く、集落代表の男はフリーレン達にすがる他、道は無いようだった。
フリーレンは男の頼みを快諾した。
喜ぶ男にシュタルクは尋ねる。
「街道を南を南に下れば、三日もあれば北部高原から出られるんだ。こんな危険な場所で暮らす必要はねぇんじゃねぇか?」
男はシュタルクの問いに頷きつつも、生まれ育った思い出ある土地で暮らしたいと答えた。
翌朝、里を出たフリーレンたちは男の依頼であった魔物を倒した。
魔物は手ごわく、シュタルクは海路の方がよかったのではと話す。
それを聞いたフリーレンは、かつて自分もヒンメルに同じ事を言った事を思い出した。
フリーレンの言葉を聞いたヒンメルは、自分は故郷を守りたくて勇者になった。だから他の誰かの故郷も守りたいのだと答えた。
「シュタルク、北部高原が故郷の人だって沢山いるんだよ」
「……そうだな」
そう呟き、シュタルクは微笑みを浮かべた。
感想
今回は北側諸国、北部高原の関所近くの集落のエピソードから始まり、皇帝酒(ボースハフト)を探す老ドワーフ、ファス、北部高原の流通を引き受けるノルム商会の依頼、一級魔法使いゲナウとメトーデ、魔族の将軍レヴォルテ達との闘い、竜退治と報酬の意味などが描かれました。
その中でも今回はフリーレンが、いつも何らかの報酬(大体は余り実用性のない魔法書)を貰っている理由が印象に残りました。
勇者ヒンメルは依頼を受けた際、いつも何らかの報酬を受け取っていました。
それはただ働きしないという訳でなく、報酬を貰っておけば貸し借りがなくなるといった理由からでした。
「僕たちが求めいるのは誰かを助ける事であって、感謝の言葉じゃない」
ヒンメルが求めていたモノは称賛ではなく、人々が何にも囚われる事無く笑う事だったんじゃないかなとエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
次回は老魔法使いデンケンの故郷、魔族によって黄金に変えられた街が舞台のようです。
どんなお話になるのか、読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はサンデーうぇぶりにて一部無料で閲覧いただけます。
作画担当のアベツカサさんのアカウントはこちら。