夜光雲のサリッサ 5 リュウコミックススペシャル
原作:松田未来
作画:※Kome
出版社:徳間書店
空から落ちて来たという異形の少女エデスを加え、IOSSは天翔体に対抗する力を増してきました。
しかし、フランスでダプネが引き起こした事件の際に撮影されたダンクの姿がネットで拡散。
IOSSは全世界から宇宙人を隠していると批判を浴びる事になります。
あらすじ
久しぶりに鬼界ヶ島に帰って来た忍。
しかし、島の住民達は何故かよそよそしい。
忍は島に来た当初、彼女を優しくもてなしてくれた老婦人の下を尋ねる。
夫人は法事で家を空けていたらしく、彼女も忍と同様、住民達の変化に疑問を抱いていた。
基地に帰ると使令も伏木も、一昨日から住民の態度がおかしくなったと忍に話した。
司令がこれが関連しているらしいと忍に見せたのは、パリで撮影されたダンクの姿だった。
彼の存在が明るみに出た事で、IOSSは宇宙人を匿っているとネット上で騒ぎになっているらしい。
情報部になんとかしてもらうのはと、パリの件に関係している忍はアタフタしながら伏木に言うが、今回の物は報道関係主体では無くネット上での拡散の為、情報部でも対応が間に合っていないようだ。
その手際の良さを褒める伏木に、忍は機動エレベータにいる天主を思い浮かべた。
感想
今回はダンクの事が世間に知られた事と並行して、天主が送り込んだ接近戦に特化した天翔体との戦いがメインに描かれました。
今回のお話で特に印象に残ったのは、IOSSに参入した忍の母が打ち出したダンクの問題への解決策でした。
新たな物語を提示するという彼女の作戦は、情報の上書きが常に起こっている現代社会を現している様に感じました。
リアルにおいても昨日まで悪人として責められていた人が、真実を語った瞬間持ち上げられる事はある様に思います。
情報が溢れデマが一瞬で拡散されてしまうのは、ネットという情報ツールで個人が大多数に向けて情報を発信できる様になった事の弊害かもしれません。
何が本当で、その情報を流した人物が何を目的にしているのか。
伝えられた情報を鵜呑みにするのではなく、自分で判断する事が大事だと読んでいて改めて感じました。
まとめ
今巻の後半では新たな能力の持ち主が、忍たちによってIOSSに保護されました。
忍たちが持つ才能(インゲニウム)を無力化出来るという彼女の能力が物語にどう影響してくるのか、次巻も読むのが楽しみです。
この作品はCOMICリュウでも一部閲覧可能です。
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漫画担当の※KomeさんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。