漫画

へんなものみっけ! 第四巻 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:2019年9月15日 更新日:


へんなものみっけ! 4 ビッグコミックス

著:早良朋
出版社:小学館

前回は市役所から出向してきた透の気持ちの変化が描かれました。
今回は、博物館と動物園との関係、北海道における猛禽類の保護について描かれます。

余り知られていない博物館の裏側を描いた作品です。

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登場人物紹介

三上育(みかみ いく)
奏山動物園 飼育員・学芸員
動物園で象とゴリラの飼育を担当している。
その他、資料調査、収集、展示なども兼任。

晴太(せいた)
雷の化石を持ち込んだカナの息子
ミネラルショー以来、化石にハマっている。

大地(だいち)
釧路湿原 猛禽類保護センター 獣医
猛禽類のリハビリ等を担当

夏目貴子(なつめ たかこ)
釧路湿原 猛禽類保護センター 所長・獣医
元演劇部
パワフルでクールでユーモラスなセンターのボス

種子島守(たねがしま まもる)
釧路湿原 猛禽類保護センター 獣医
写真が趣味で、猛禽類の写真を数多く撮影している。
鳥大好き。

たま子
ナミの友人
父親はお弁当や惣菜を扱う商店の店長。
忙しい父を心配している。

各話あらすじ

第27話 化石を見つけよう、街に出よう!
カナの息子の晴太は双葉と出会った事で化石に興味を抱く。
彼は化石を見つけたいと言い出すが、カナは仕事で遠出が難しい事と、発見の為に崖や山に連れて行くのは心配という事もあり透に相談してきた。

透は化石の事ならと双葉に聞いてみる事にした。
彼女の答えは意外にも東京の街中で化石を探そうという物だった。

第28話 動物園にコイ!?
動物園の企画展の為、辰巳と清棲と共に動物園を訪れた透。
企画展の担当者は三上育という飼育員の女性だった。

彼女は学芸員としての資格も持ち動物園で催される企画の他にも資料の調査、収集、展示等も行っている研究熱心な人だ。

園からの帰り少し元気の無かった様子の三上を辰巳は気にしていた。
清棲が言うには四年間も面倒をみていた相手が結婚の為に上京するらしい。
その事に辰巳はショックを受ける。

第29~32話 北へ・野生と人と・衝突・再び現場へ
釧路湿原にある猛禽類保護センターを訪れた清棲と透。
今回はセンターに保存されている猛禽を剥製にするのが目的だ。

エゾジカに出くわしたり、保護したタンチョウヅルに突かれそうになったり、透は色々アクシデントに見舞われたものの無事センターで剥製作りに取り掛かった。

そんな時、センターに一本の電話が入る。
オジロワシが列車と衝突事故を起こしたらしい。
清棲に対応する為センターに残っていた所員の種子島は、機材を抱え現場に向かう。

二人は手伝える事があればとセンターに配備されていたドクターカーに乗り込んだ。

第33~34話 チーターを見ちったー!(前後編)
ナミの友人、たま子はテレビのニュースでチーターの赤ちゃんが取り上げられているのを見る。

それを帰ってきた父に話そうとするが父は酷く疲れている様子だった。
たま子の父は妻を亡くしてから一人で商店を切り盛りしている。

そんな父を気遣いながらたま子は学校で催される2分の1成人式のお知らせを父に見せた。

後日、博物館をナミたちと訪れていた、たま子は父が2分の1成人式に来てくれると言ったことを嬉しそうに透に話す。
しかし当日、たま子は担任から父が急な仕事で来れなくなった事を伝えられた。

第35話 ミステリー・ミュージアム
夏のある日、清棲の従姉、かがりが博物館を訪れる。
館長に清棲がいるか尋ねると彼は昼休みだから保管庫だろうと答えた。

保管庫には清棲の他、研究員たちが集まっていた。
彼らは空調の利かない研究室より保管庫の方が涼しいと集まっていたのだ。

保管庫には資料を手にした透もいた。
彼は館長から企画展のテーマを任されどんなものにするか悩んでいた。
彼は完璧な物にしようとかなり根を詰めているようだった。

館長はそんな透の様子に暑気払いも兼ねて、博物館で肝試しをしようと言い出す。

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感想

今回は四話に渡って釧路湿原の猛禽類保護センターの様子が描かれました。
この作品はフィクションですが描かれている事は事実に基づいています。

センターでは、全道から運び込まれる猛禽類の治療、リハビリ、野生復帰を行っています。
広大な湿原の自然、猛禽類の保護を限られた人数で行っています。
その作業の膨大さを考えると凄いという言葉しか出て来ません。

現在、シマフクロウ、オオワシ、オジロワシ等の猛禽類は絶滅危惧種に指定されています。
彼らの活動が無ければいずれ日本でそれらを見る事は出来なくなるではないでしょうか。

収録されたお話では一部のマナーの悪い写真家たちの行為が取り上げられました。
美しい写真を撮りたいという気持ちは理解できますが、それは他者の命を犠牲にしてまでしなければならない事とは思えません。

作中で書かれている様に人の社会と動物との共存の道を探す事が重要だなと感じます。

また、チーターのお話では親子の絆が描かれました。
たま子も父親もどちらも亡くなった母を愛し、お互いを気遣っています。
寂しさを感じつつ、それを表に出さず乗り越え笑みを見せるたま子の強さにグッときました。

まとめ

次回は透が企画した展示会のお話が収録されるのでしょうか。
今から読むのが楽しみです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この作品はpixivコミックで、第一話が無料でお読みいただけます。
作者の早良朋さんのTwitterはこちら

※イメージはpixabayのMichael Kによる画像です。
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