オオカミライズ 3 ヤングジャンプコミックス
著:伊藤悠
出版社:集英社
巨大な狼の姿をしたケン。
その狂暴な姿とは裏腹に彼の心は何処までも人間でした。
女性として初めて倭狼(ウォーラン)になり生き延びた特殊部隊吃狗(チィゴウ)の元隊員エミはそんなケンから、同僚であるアキラ、そしてイサクという少年と過ごした日々を聞かされます。
あらすじ
少年だったアキラに日本語を教えた少女、蛍(ほたる)。
倒れた人を救おうとして蛍は中国軍に捕らえられた。
その蛍に駆け寄ったアキラもまた、反乱分子として捕縛され収容施設である再教科院に送られる。
そこでアキラは収容者たちの中にある派閥のボスである外藤に犬と呼ばれている少年ケンと、ロシア系の少年イサクと出会ったのだ。
一方、隕石に付着していたウィルスの適合者、マエダを見つけた研究者朱可(しゅか)は再教科院に収容されている人々を使い人体実験を開始していた。
そんな日々の中、日本の北側を支配する露西亜の影響でアキラたちの再教科院の警備が緩む。
アキラは何とか蛍を逃がそうと女子棟への接近を試みる。
雪の中、擬装用の服を抱えたアキラが遭遇したのは、兵に凌辱され殺されるぐらいなら、会いたい人にあってから死にたいと女子棟を抜けだした蛍達だった。
蛍一人ならともかく、これだけ大勢の女達が動けば見つかる事は必至だろう。
アキラは蛍を生かそうと奔走していた。
だが蛍は死ぬ事を前提に行動していた。
その事はアキラには裏切りに感じられた。
しかし、蛍に抱きしめられたアキラは彼女の行動を責める事は出来なかった。
アキラと蛍が臥所を共にした翌朝。
目覚めたアキラが目にしたのは、首を吊った女達の姿だった。
感想
今回は幼いアキラ達に何が起きたのか。
そして彼らが道を別つ事になった原因が描かれました。
また、ウォーランを生み出した研究者であり、現在吃狗の管理官でもある朱可の狙いも分かって来ました。
アキラの過去を知った事で、何故彼がエミの救出に拘るのか。
そして友人だった筈のケンを殺そうとするのかが、理解出来た様に思います。
今回、読んでいて一番人の心を持っているのは獣の姿をしたケンであり、逆に獣に近いのはイサクなのでは無いだろうかと感じました。
まとめ
この巻では中国側の思惑が大分鮮明になってきました。
ただ、露西亜側の内情はまだ殆ど不明です。
次巻ではその辺りの事がイサクの口から語られるのかなと終盤を読んでいて思いました。
次回も楽しみです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。