土地神と、村で一番若い嫁 2
著:あらをか青い
出版社:一迅社
ウブな土地神様とその嫁の生活を描いた作品、第二巻。
今回は子孫繁栄の神の紹介で二人は温泉旅行へ出かけます。
登場人物
山の神
猫の貌をもつ女神
死者の魂が憩う湯の湧く霊峰に住む神。
慌てた時や酔った時には訛りが出る。
幼い頃、母を探して迷い込んだ“きくじ”に想いを寄せている。
きくじ
山の神の世話役を務める青年
母に会う為、山の神の神域に迷い込んだ。
目が不自由な為、匂いと音で周囲の状況を察知している。
現在は山の神の屋敷で彼女の身の回りの世話を行っている。
幽霊
山の神の御屋敷に住まう女性の霊
きくじと山の神を見守っている。
あらすじ
子孫繁栄を司る神から出雲で出会った神の話を聞いた土地神。
その神の住まう霊峰にはとてもいい湯が湧くという。
だが、出不精の土地神は知らぬ神に迷惑を掛ける訳にはいかぬと、温泉に行く事を渋っていた。
そんな土地神に子孫繁栄の神は夫婦風呂の存在を耳打ちする。
かすみとの混浴を想像した土地神は、自分の想像でのぼせてしまい一旦席をはずした。
そんな土地神に代わり、子孫繁栄の神の相手をしていたかすみに、彼は土地神はきっと話を断らないだろうし、骨休めしてきなさいと告げた。
それを受けて、かすみは土地神に旅を楽しんでもらおうと気合を入れるのだった。
感想
今回はメインの温泉旅行のお話の他、お供え物の油揚げ、土地神の蔵書、刺繍のお話等が収録されました。
今回も結婚してから恋人を始めたような二人の関係は、緩やかに進展しています。
そちらはよいのですが、山の神ときくじという新たなキャラクター達によって神と人との時間の流れ方の違いも描かれました。
山の神は出会った時から変化していないのに、きくじは子供から大人に成長しています。
おそらくきくじが年老いても山の神は変わらないままなのでしょう。
そんな二人の関係性は土地神とかすみにも当てはまる筈です。
二人は相思相愛で読んでいるととても微笑ましいのですが、時間の事を考えると切なさも感じました。
しかし、限られた時間だからこそ、それは貴重でより強く輝くような気がします。
まとめ
今回は描きおろしとして、子孫繁栄の神とその妻なでしこ、山の神ときくじ、幽霊、表紙の蛍のお話の四つが収録されています。
特に蛍のお話は全編カラーで読んでみたかったです。
きっと、とても綺麗だと思うんですよね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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