魔導の系譜 コミカライズ版 2 BLADEコミックス
漫画:イヌヅカヒロ
原作:佐藤さくら
出版社:マッグガーデン
小説「真理の織り手」シリーズのコミカライズ版
レオンの弟子となったゼクスは彼の下で、文字によらない指導法によって魔導の才能を磨いていました。
登場人物
ジェシ
ダザのギルドに所属する魔導士
リール村から一番近い町ダザのギルドに所属する魔導士の男。
セルディア人であるゼクスにも気さくに接する。
ジル
鉄の砦の魔導士
レオンの下へゼクスを送り届けた。
陰気で不気味な雰囲気の男。
エヴァン
鉄の砦第七十五小隊隊長
野盗の捕縛など荒事を担当する戦闘部隊の隊長。
涙ボクロの美形。
ランバート
鉄の砦総帥
眼鏡をかけた温和そうな老人。
レオンの師であるセレスの知人。
正しくレオンを評価する。
リジット
ゼクスが所属する班の班長
問題を起こしたゼクスを受け入れる事に戸惑いを感じている。
あらすじ
ゼクスが文字を読めない事を知ったレオンは、彼に魔導書では無く導脈からの操魔で感覚を覚えさせる指導を行っていた。
それと並行してレオンは貴族の娘ロザリンドへも指導を続けていた。
こちらはゼクスと違い覚えも良く、授業も残り一回となっていた。
それが終われば彼女はバルデリオン教の聖堂院へ入る事となるらしい。
魔導を邪悪な物とみなすこの国では、貴族が聖堂院に入る事は事実上の幽閉だ。
終ぞ会う事の無かった弟弟子ゼクスに会いたかったと、ロザリンドは切なげに笑った。
そんな話をゼクスに語り、数日後、レオンは最後の授業の為、ロザリンドの住む屋敷へと向かっていた。
そんなレオンに息を切らせたゼクスが声を掛ける。
ゼクスは足を止めたレオンに右手を突き出す。
彼の手に握られていたのは、木彫りの鳥の首飾りだった。
ゼクスは器用だと褒めるレオンから目を背けつつ、ロザリンドに渡せとレオンに告げた。
ぶっきらぼうなゼクスに微笑みながら、レオンは首飾りを受け取った。
感想
魔術の力、導脈は身分に関係無く現れます。
魔導士が邪悪とされるラバルタでは、貴族が導脈を持つ事は厄介以外の何物でもないようでした。
勿論ロザリンドもその例に漏れず、父親から疎まれ存在自体なかった者として扱われています。
そんな中でゼクスが渡した首飾りは、たった一つ本当に彼女を想って作られた物でした。
さて、今回はそんなロザリンドのお話から始まり、ゼクスが成長し鉄の砦で生活をしはじめる場面が描かれました。
成長し己を抑える事が出来る様になったとはいえ彼は生来感情が激しやすく、この巻でもレオンを侮辱した者に暴力を振るってしまいます。
作中、レオンがゼクスを戻せという砦からの再三の要請を断っていた経緯には、そういった彼の内面を見抜いていたという事も大きいのだと思います。
また、要請の件を知ったゼクスはレオンと袂を別ち砦に向かうのですが、心の底ではレオンを師として認め尊敬している事がその後の行動で読み取れます。
強い導脈を持つ者を妬む心を恥じ、涙を流したレオン。
その妬みを知り、裏切られたと彼の下を飛び出したゼクス。
二人とも不器用で、それでもお互いを想っている様子が心に響きました。
まとめ
二巻まで読んだ限りでは、宗教によって邪悪とされているという事以外、何故魔導士が蔑まれているのかまだ分かりません。
恐らく過去の何かが原因だとは思うのですが……。
今後、物語は砦でのゼクスの活動がメインになるようです。
彼の行動が周囲にどんな影響を与えていくのか、続きが楽しみです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。