漫画完結作品

私の神様 第二巻 あらすじ・感想

投稿日:2020年7月19日 更新日:

紅葉
私の神様 2 ガンガンコミックス

著:夢野つくし
出版社:スクエアエニックス

永遠に少年の姿の神様「先生」。
その先生からかずさはゴーストライターをしないかと打診されます。
迷った末にそれを引き受けたかずさの前に、彼女に記憶を引き継ぎ転生する呪いを掛けた神「イザナミ」が現れます。

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あらすじ

イザナミは人に転生し想い人と暮らし始めたかずさが会いに来ないので、自分から出向く事にしたようだ。
公園のベンチで並んで座りイザナミはそう来訪の意を告げた。

すっかりお参りを忘れていたかずさは恐縮し彼女を拝みながら謝罪する。

イザナミは反省したなら良しと怒った様子も無く許してくれた。
彼女がかずさに会いに来たのは、家に現れていた猫のミーコの所為だった。
ミーコはイザナミの遣いでかずさ達の様子をイザナミに伝えていたようだ。

「まるで家族のようだった」
その言葉にかずさは頬を染め感慨深げに笑う。

そんなかずさを見たイザナミはおろかなままだと声をあげ笑った。
かずさが先生と一緒にいたいと願いもう何百年も経っている。
人でなければ話す事は出来ず、ただ寄り添うだけの生を彼女は数えきれない程繰り返して来た。

イザナミはかずさがそれに耐えられず、すぐに泣き付いてくると思っていた。
しかし彼女は現在、人として先生と共に笑い泣き暮らしている。

「いっそ、ここまで来ると清々しいものだな」

そう言ったイザナミの思いを測り切れずかずさは彼女に礼を言った。
それに褒めていないと笑って返しイザナミは腰を上げた。
伝えたい事があったのでは?と尋ねたかずさに女神はそんな物は無いと答えた。

神は気まぐれでかずさの行く末がどうなろうと構わない。
ただ見守るのみ。
そう話したイザナミは去り際かずさに言う。

「そなたとあれに未来はないがな」

その言葉はかずさの心に強く残った。

感想

この巻で作品は完結です。
二人がその後どうなるのか描かれてはいませんが、やがて離れてしまう事になっても彼らはその時まで一緒にいるのだろうと思います。

ハッピーエンドが好きな身としては最終話には切なさを感じましたが、そうやって過ごす日々が二人にはとても大切な事なのだと思いました。

地面に落ちて消える雪の様な、一瞬咲き誇り散ってしまう桜の花びらの様な儚くて、でも暖かいお話でした。

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まとめ

人が本当に死ぬのは忘れられた時だと何処かで聞いた覚えがあります。
この世を去り誰もその人を思い出す事が無くなった時、本当の意味で人は死ぬ。
ほんの一握りの人々、後世に残る何かをした人以外、多くの人は忘れられ消えて行く先生と同じなのかもしれません。

この作品を読んでそんな事を思いました。

この作品はガンガンONLINEで一部無料で読む事が可能です。
作者の夢野つくしさんのTwitterはこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのGuHyeok Jeongによる画像です。
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