殺し屋やめたい! 1 モーニングKC
作:外木寸
出版社:講談社
ローズ・マダー・品川(偽名)。
元兵士の難民で今は殺し屋として活動している。
銃やナイフを使わず事故死を装いターゲットを処理するその手口は、組織内での評価も高い。
そんなローズには現在、悩みがあった。
ローズには女子高生の恋人がおり、その恋人、紅華(べにか)の為に仕事を辞めたいと思っていたのだ。
登場人物
ローズ・マダー・品川
元兵士の殺し屋
セミロングの女性。
変装しターゲットに近づき事故死に見せかけ殺害する。
難民であり殺し屋の仕事は生きる為、仕方なくやっている。
恋人の紅華(べにか)の為に殺し屋を辞めたいが、どうすれば辞められるのか分からず悩んでいる。
白舟(しらふね)
神父、紅華の父親
黒髪の中年男性。
ローズから殺人の告解をくり返し受け、そのたび、プロとしてゆるしを与える。
実際はローズの告解に参っている。
紅華(べにか)
女子高生
お下げの女の子。
ローズの恋人で白舟の娘。
父親の教会での立場を考え、恋人がローズである事を言えずにいる。
イルデ・ブランド
大司教
眼鏡の老人。
難民の地位向上を訴える教会内組織「自由の鐘」の創設者。
難民を不当に雇い働かせる組織を潰す為、組織の内部情報を入手した。
ボス
ローズに仕事を回す暗殺組織のボス
シニヨンの女性。
組織の情報を手にした大司教、他、障害となる神父の殺害を”自由”を報酬にローズに打診する。
あらすじ
その日も二件、仕事をこなしたローズ。
仕事を終え部屋でボンヤリと佇んでいた彼女の下に電話が入る。
電話の相手は最近出来た恋人だ。
彼女と出会うまでローズは特に生きる意味も無く、ただ与えられた仕事をこなし毎日を過ごしていた。
生きている実感が希薄になる日々の中、ローズは彼女に出会った。
その恋人と会う約束をしたローズだが、人を殺した罪を背負ったまま彼女に会う訳にはいかない。
その罪のゆるしを得る為、ローズは教会へ向かった。
教会の告解室で自分が犯した罪を神父に打ち明ける。
神父はいつもの様にローズの罪を聞き、神の名においてゆるしを与えた。
今回、ローズはそれに加え、好きな人がいる事を話し、殺し屋が誰かと親しくなる事がゆるされない罪なのかと問うた。
神父は神のいつくしみはいつもあなたと共にと、歓びと愛について彼女に祝福を送った。
ローズは感謝を述べて教会を後にする。
その告解を受けた神父、白舟はローズの恋人紅華の父親だった。
感想
恋人の為に仕事を辞めたい殺し屋ローズ。
彼女から罪を告解される神父、白舟。
その白舟の娘であり、ローズの恋人である女子高生の紅華。
一巻では互いの関係性を知らないまま、お話は進み、組織の情報を手にした大司教暗殺が組織からローズに依頼されます。
その暗殺のターゲットの中には白舟も入っていて……。
ローズは自分が殺し屋である事から、白舟は神父という立場上、告解の秘密を守らないといけない義務から、紅華は父親の立場を考え、恋人が同性だという事から、それぞれが言いたい事も言えず、微妙にすれ違ってしまいます。
描かれている内容は凄くシリアスなのですが、なんというか状況やキャラクター達の感情や心の動きがズレているというか、読んでいてコミカルで楽しいです。
まとめ
この巻のラストでは自分達を尾行してきた相手が、紅華の父親だとローズは気付きます。
組織と教会の思惑が絡み合う中、ローズの行動は何をもたらすのか。
次巻も読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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