アルキメデスのお風呂 1 MFC
著:ニコ・ニコルソン
出版社:KADOKAWA
お弁当屋さんで働くポッチャリ系女子「原陽子」と完全理系の金髪オカッパ王子「大池学」との物理系ラブコメディー。
登場人物
原陽子(はら ようこ)
弁当屋で働くちょっと太めな女性
彼女の作る唐揚げは絶品らしい
大池学(おおち がく)
天才物理学者
金髪オカッパの天才物理学者、通称キテレツ王子
アルキメデス陽子加速器センター(A-PARC)でニュートリノ等の素粒子について研究している
陽子の唐揚げの大ファン
斎藤中(さいとう あたる)
陽子の同棲中の恋人
浮気がバレて陽子と別れた
小柴(こしば)
A-PARC食堂担当
面倒見のいいやり手のおばちゃん
有馬強子(ありま きょうこ)
陽子の幼馴染で親友
自分の気持ちを隠さず曲げない、裏表のない人物
その性格ゆえ、小学生の頃は虐められていた。
あらすじ
恋人の浮気、勤務先である弁当屋での扱い。
救いの無い生活の中で、自分はこの世に必要無いのではと感じた陽子は、通勤に使う電車のホームから、線路に吸い込まれる様に飛びこんでしまう。
しかしそれを一人の青年が止めた。
金髪でオカッパ、手には白いバラの花束。
まるで童話の王子様の様な姿に、陽子の胸はときめく。
だが青年は電車が遅延すると迷惑だと言い放つ。
その後の陽子の心情の吐露も、お江戸スットコ捕物帖を見逃すという理由で中断された。
彼は乗り込んだ電車の入り口で、あなたが見えている世界が全てじゃないと言った。
続けて、病気や事故じゃなく無知で死ぬのかと陽子に問い掛ける。
その問いに答える暇も無く、電車は青年を乗せて走り去った。
だが彼の言葉は、人生に絶望していた陽子に希望の光を与えた。
感想
メインキャラクターの大池学は、謎を謎のままに出来ない人物で、疑問があればとことん追求します。
非常に研究者向きの性格と言えるのでしょうが、その事で彼に恋をした陽子は振り回される事になります。
自殺未遂と唐揚げが繋いだ二人の関係がどうなるのか、とても楽しみです。
また、作中では原子を構成する陽子や中性子、クオーク、それを研究するための粒子加速器や観測装置カミオカンデについて噛み砕いた説明があり、物理学者の多田将先生による素粒子などの解説も掲載されています。
最後にこの巻で好きなセリフ
無職、家無し、そして今独り身に
状況は最悪
でも、前ほどの絶望はない
私に見えている世界は、まだまだ狭いぞ
まとめ
作中で大池が語るように、ニュートリノ研究は現状では何の意味も無い研究です。
しかし、基礎を積み上げる事で人間の文明は、発展してきたと感じます。
人間の活動には経済がついて回りますが、損得だけで物事を図る事は文明の停滞を招くような気がします。
こちらの作品はマンガZOROにて現在三話まで無料で閲覧いただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。