傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン 3 バンチコミックス
著:磯見仁月
出版社:新潮社
オーストリア、ハプスブルク家の第十一女「マリア・アントニア」
後のフランス王妃マリー・アントワネットとして知られる少女。
今回はその三人目のマリアのフランスへの輿入れが描かれます。
登場人物紹介
マリア・アントニア(愛称はトワネット)
後のマリー・アントワネット
父フランツ一世の方針により兄妹と共に自由に育った。
九女ヨーゼファの病死により、繰り上げでフランスへ王太子妃として嫁ぐ。
興味の無い勉強に対する集中力に欠け、その方面での成績はあまり良くなかったようだ。
ショワズール公爵
ふくよかで温和そうなおじさん。
外交革命を遂行している。
アントニアの輿入れもその一環。
親オーストリア。
ルイ15世の娘たち
アデライード、ヴィクトワール、ソフィーの三姉妹
宮廷のしきたりを重んじ外交革命に反対している。
反オーストリア。
ショワズール派、三姉妹の信心派、リシュリュー公爵とデギュイオン公爵が率いるデュ・バリー派は三つ巴の権力争いをしている。
性格悪そう。
ノアイユ伯爵夫人
女官長
上品な壮年の女性。
宮廷における礼儀作法に厳しい。
ルイ・ルネ・エドゥアール・ド・ロアン・ゲメネ
後に叔父から枢機卿を継ぎ、首飾り事件に関与する。
※首飾り事件:革命前夜にフランスで起きた詐欺事件。
540個のダイヤを散りばめた首飾りを巡る高額詐欺。
ルイ15世
フランス国王
美男子として知られ多くの愛人を抱えていた。
デュ・バリー夫人(べキュー)もその一人であり、王の寵愛を武器に王宮の権力を手に入れようとしている。
ルイ・オーギュスト(ベリー公爵)
王太子、後のフランス国王ルイ16世
ルイ15世の孫、背が高く痩せた青年。
ルイ15世いわく、彼は人見知りらしい。
プロバンス伯爵
オーギュストの弟、後のフランス国王ルイ18世
ポッチャリ皮肉系男子
アルトワ伯爵
オーギュストの末弟、後のフランス国王シャルル10世
可愛い系男子
クロティルド
オーギュストの妹、後のサルデーニャ王妃
何か不安を抱えているっぽい。
ザモール
デュ・バリー夫人の召使い。
ベンガル出身の奴隷。
デュ・バリー夫人の事は「まだむ」と呼ぶ。
エリザベート
オーギュストの末妹
他家へ嫁ぐ事無く王家と運命を共にした。
アントニアをおねえさまと呼び慕う。
エレーヌ・エリザベート・フィリドール
マリーの結婚式の花嫁衣裳を担当した。
あらすじ
国を挙げた王族の結婚。
市民は大いに盛り上がっていたが、オーストリアからフランスへと嫁ぐ王太子妃マリー・アントワネットは王宮では全面的に受け入れられている訳では無かった。
フランスの王宮は現在、ショワズール派、信心派、デュ・バリー派に分かれ権力争いを繰り広げている。
その中の一つ、保守派であり外交革命に反対する信心派の仕掛けた策略によりアントワネットの花嫁衣裳は不備を抱えていた。
マリーは髪結いとして先に王宮に上がったレオナールを通じ、デュ・バリー夫人(べキュー)からその花嫁衣裳の修正を依頼される。
べキューの真意は分からないが、彼女にはシャルトル公爵夫人の花嫁衣裳の件で借りがある。
べキューへの借りを返す為、未来のフランスの為、マリーは結婚式の迫る中、花嫁衣裳の修正に取り掛かった。
感想
今回マリーは王太子妃マリー・アントワネットの花嫁衣裳の修正に挑みます。
ただ、マリーは公爵夫人の衣装を手掛けたとはいえ王宮への出入りは許されていない為、アントワネットと対面する事も出来ず採寸もままならない状態で仕事をする事になりました。
そんな状況の中、周囲の助けを借りマリーは難題に挑んでいきます。
とまぁ、マリーの今回の仕事はそんな感じなのですが、この巻では主役は完全にアントワネットでマリーは裏方として描かれていました。
今作でのアントワネットは私が漠然と抱いていた我儘な王妃という印象では無く、国同士の駆け引き、王宮の権力争いに巻き込まれた普通の女の子に感じられました。
フランス革命前後の王家及びフランスについてはまったくといって言い程知らないので、今後どんな事が起きるのか先が楽しみです。
まとめ
私はマリーは勿論ですが、べキューの事も好きなので彼女達がアントワネットの登場でどんな関係になっていくのかとても気になります。
こちらの作品はコミックバンチwebにて一部無料で閲覧いただけます。
作者の磯見仁月さんのアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。