違国日記 4 フィールコミックス
著:ヤマシタトモコ
出版社:祥伝社
人見知りな小説家と、その姉夫婦の遺児の同居生活を描いたお話です。
高校に入学した朝は、軽音楽部に入りクラスに友人も出来たようです。
あらすじ
ゴールデンウィークも明けたある日、朝はネットに掲載されていた槙生のエッセイを見つけた。
そこには犬のようなものと暮らし始めたとの書き出しで、槙生の心情が綴られていた。
彼女はそこに一緒に暮らす事への戸惑いや、群れを作る事の出来ない自分が、朝が連れて来る友達にたじろいている事、自分が朝に与える影響に危惧を抱いている事。
そして最後に犬の名前をアシタとしようと締め、ロバート・ブラウニングの詩「春の朝(あした)」を紹介して終わっていた。
朝は槙生にLINEでエッセイの事を尋ねたが、槙生は著作はあまり読まないでほしいと彼女にかえした。
その後、家に帰った朝と食事を取り、寝室に引っ込むと紙袋の中から日記帳が出てきた。
どうやら朝の物が紛れ込んだらしい。
中を開けると、姉が朝に二十歳になったらあげようと書き綴った物のようだ。
日記には朝の名前の由来と、誰からも愛されるよう願いを込めた事が記されていた。
槙生は、姉が自分に向けた辛辣な言葉を思い出し、日記を閉じた。
姉は何時から自分を憎んだのか、自分は姉への憎しみが無くても物書きになれただろうか。
そんな事を思いながら槙生は、紙袋をクローゼットに仕舞った。
感想
この巻では、人が常識的に思う普通が、皆に当てはまる訳ではないという事が強く描かれている様に感じました。
作中では槙生が感じる傷つく事が、朝には分からずそれぞれの感覚の違いが描かれます。
また槙生にとっては普通の事である、物語を楽しむ事を弁護士の塔野が全く必要としていないという部分で価値観の差が表現されているように感じました。
朝の友人、えみりも自分が他の人と違う事を悩んでいます。
人はそれぞれ違っていて当然だし、全員が同じであれば誰が誰でもいい事になってしまいます。
読んでいてそんな事を感じました。
まとめ
最後の話は、笠町と槙生の距離感がとても心地よく感じました。
次回はえみりのお話もあるのでしょうか?
今からとても楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
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