小説 小説短編

未来放浪ガルディーン外伝 第二巻 大ハード。 あらすじ・感想

投稿日:2018年12月6日 更新日:

カレーライス
未来放浪ガルディーン外伝(2) 大ハード。
著:火浦功
画:出渕裕・ゆうきまさみ
出版社: 角川書店 角川スニーカー文庫

さーて今回のガルディーン外伝は。

ミシン鉱山をめぐる、仁義なき戦いを描いた、シェルブールの三度笠。
スリムが注文した高枝切りバサミが大騒動を巻き起こす、バッタの紋章。
ジョージ・ヴァルマー、後に無謀王と呼ばれる男の若き日の冒険譚、大ハード。

の三本でお送りいたします。ウフフフ。

文明が一度崩壊した未来を舞台にした、なんでもありの冒険活劇の外伝第二弾。

あらすじや感想など

広告

第一話 シェルブールの三度笠

冒頭部分 あらすじ
「これよりシェルブー 」文字のかけたロードサインの前をシャラたち三人は通り過ぎた。
コロナとガルディーンの姿は見えない。
カレーライスには、福神漬けかラッキョウか、ソースはかけるのかかけないのか、この終わることのない論争が原因だ。

決着がつかないまま、シャラとコロナは喧嘩別れし、出て行ったコロナの後をガルディーンは追って行った。
シャラの機嫌は直らないままで、スリムとヤマトは八つ当たりされないよう、ビクビクしながらシェルブールの町を歩く。

そんな三人の前を大勢の男たちが駆け抜けてゆく。
どうやら出入りらしい。
見に行こうというスリムとヤマトを無視して、シャラは一軒の食堂に入り、不機嫌が極まった声で言った。
「カレーライス」

感想
この世界では、家庭用ミシンでさえ作る技術はありません。
全て過去の遺跡から発掘されるものに頼っています。
今回のお話は、ミシン鉱山をめぐって起こる、暴力団の抗争を描いた作品です。

昔堅気のウルトラ会と帝国をバックに持つ新興勢力・暁興業。
二つの組織の抗争、ウルトラ会の一人娘アヤメへの代貸ハギワラのひそかな恋心、暁興業の恐ろしく強い用心棒(時給680円)、コロナのヌード等見どころ満載です。

カレーライスには福神漬け派です。ソースはかけません。

第二話 バッタの紋章

冒頭部分 あらすじ
砂漠のオアシス都市、サント・バーニア。
その街の目抜き通り、バーニア銀座で一人の男と、一体の機動兵器が会話している。

「うーん困ったな。高い所の枝が切りたいんだけど手が届かないや。」←棒読み
「スリムさん、そんな時にはこれ、高枝切りバサミ!さらに今回は人気の布団圧縮袋五枚セットもお付けして、このお値段!!」←棒読み
「なんだって!?たったの一万円!?」←棒読み
「いい加減にしねぇか!」

スリムの顎にコロナのアッパーカットが炸裂する。
スリムはこれが売れないと、今夜も馬小屋泊まりだとコロナに訴えた。
現在ガルディーンのコクピットには、様々な通販商品が溢れていて人の乗るスペースは無い。

なんでこんなに便利な物が売れないんだろうか?と不思議がるスリムに、シャラは冷たく言い放った。

「まわりにサボテンしかない土地で、高枝切りバサミが売れるわけないでしょ」

感想
このお話には、バッタのマークの上州屋という、通販会社がでてきます。
世界中どんなところにでも商品を届けることを上州屋はモットーとしています。
作品が書かれた当時はAmazonはまだなかったと思いますが、ドローンでの配達等を耳にすると、SFがリアルになっていく感じがします。

広告

第三話 大ハード ―サムライ・バージョン―

冒頭部分 あらすじ
脳天から真っ二つにされて、右半身と左半身は涙の別れを告げた。
山賊と思われる男たちが七、八人転がっている。
大鉞を担いだ男が原因だ。

彼はジョージ・ヴァルマー、後に無謀王と呼ばれ大陸の三分の二を平定することになる男だ。
しかし、今は油を売りながらフラフラとしているだけのお気楽な身だ。
山賊たちを打ち倒したのも、北方の都市国家ローレイに向かう途中にたまたまかち合っただけのことであった。

「かたじけない」
そう言いながら針金のような老人が出てきた。
ヴァルマーの手を取ってしきりに礼を言っている。
身なりの良い老人を見て、ヴァルマーは助けたことにして礼金をもらうか、首をはねて有り金を頂くか考え、首をはねることにした。

その時、彼の視界で人影が動いた。
ヴァルマーは人影の首めがけて獲物を振るう。
だが、老人の「姫様」という声で慌てて鉞を止めた。
そこにいたのは、ウエディングドレスを真っ黒に染め上げたような喪服を着た女性だった。

感想
本編では一話目でお亡くなりになってしまった。
ジョージ<無謀王>ヴァルマーのお話でした。
アルタミラの父親、レナード・カーンや後の陰険王、キリー・レステスの若き日の姿が垣間見えます。

レナードの苦労性はアルタミラに受け継がれているし、キリーは若い時も策略ばかり巡らせています。
彼らが今後どのように帝国を作っていくのか、そんな事も想像すると面白いです。

まとめ

ガルディーンの物語は今のところ、これで全てです。
続きが書かれるかは、火浦先生の気分次第。
十二国記と同じく気長に待つことにします。

 

広告

-小説, 小説短編
-, , , ,

関連記事

太刀

ゴブリンスレイヤー外伝2 鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》上 登場人物・あらすじ・感想等

ゴブリンスレイヤー外伝2 鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》上著:蝸牛くも画:lack出版社: SBクリエイティブ GAノベル ゴブリンスレイヤーの蝸牛くもさんが綴る、迷宮踏破の物語。ゴブリンスレイヤーで語ら …

草原

ゴブリンスレイヤー 第六巻 冒頭部分あらすじ・感想・印象に残ったもの

ゴブリンスレイヤー6 著:蝸牛くも 画:神無月登 出版社: SBクリエイティブ GA文庫 春が巡って来た。辺境ギルドにも新しい顔が見える。 この中の何人が生き残り、冒険者としてやって行けるのか分からな …

鏡

窓辺には夜の歌 耕平&来夢シリーズ 第二巻 あらすじ・感想

窓辺には夜の歌 著:田中芳樹 イラスト:ふくやまけいこ 講談社文庫 大学生の能登耕平と小学生の来夢が活躍する長編ゴシック・ホラー シリーズ第二弾。 冒頭部分あらすじ1 夏の事件から季節は廻り今は秋、十 …

雪景色

たましくる―イタコ千歳のあやかし事件帖 各話冒頭部分あらすじ・感想

たましくる 著:堀川アサコ カバー挿画:こより 出版社: 新潮社 新潮文庫 島田幸代は生まれて初めて東京を出た。 昭和六年の節分、幸代は姪の安子をつれて青森県の弘前をめざしていた。 上野の駅を出て十六 …

夏の魔術 耕平&来夢シリーズ 第一巻 あらすじ・感想

夏の魔術 著:田中芳樹 イラスト:ふくやまけいこ 講談社文庫 銀河英雄伝説を執筆した田中芳樹さんによるファンタジック・ホラーです。 シリーズとして続編も発表された作品の第一作目にあたります。 あらすじ …

DMMコミックレンタル

広告
広告
田中
読んだ本の紹介等しています。
本を選ぶ際の一助になれば幸いです。