そのへんのアクタ 1 ヤングアニマルコミックス
著:稲井カオル
出版社:白泉社
2024年、地球は宇宙から突如飛来した怪物に襲撃されます。
最初の出現地点が伊豆だった為「イズリアン」と名付けられたその怪物は世界中で猛威を振るいました。
それから七年後、人類は滅亡する事無く定期的に表れるイズリアンを撃退しながら生活を続けていました。
登場人物
芥(あくた)
駆除隊隊員
終末の英雄と呼ばれた男。
腕に巻いた包帯がトレードマーク。
戦闘スタイルはレバガチャ。
過酷な戦いの中で青春を過ごした為、様々な感情の他、色々欠落している。
他の隊員との連携が出来ない事、武器の改良により彼以外も駆除が容易になった事が原因で事案の多いの千葉から比較的穏やかな鳥取へ左遷される。
百福がつけた名乗り口上は「その辺の芥」
百福ひかり(ももふく ひかり)
鳥取の駆除隊の副隊長
人当たりのいい女性。
ピッツァの発音にはこだわりがある。
副隊長は伊達じゃない。
名乗り口上を隊員につけている。
ちなみに彼女は「幸福印の副隊長 百福」
バルサ
駆除隊の隊員
癒し担当の犬。
名乗り口上は「アニマルセラピーなら任せとけ。癒し担当マスコット バルサ」
足立(あだち)
駆除隊の隊員
巨漢の男。
かませ犬的ポジション。
小森ミナト(こもり みなと)
駆除隊隊員の一人小森の息子
ゲームを通して芥と友人になる。
竹本(たけもと)
駆除隊の隊員
ゲーム、漫画に詳しい。
古賀(こが)
駆除隊の隊員
糸目の男、芥に一般常識を教える事になる。
本業は獣医。
名乗り口上は「立てばドリトル、座ればシートン、歩く姿はムツゴロウ。知恵と慈愛のアニマルドクター 古賀」
獣医の少なくなった鳥取で訪問診療を行っている。
相馬道明
支部長
恐らくモデルは渡○謙。
剽軽なおじさん。
あらすじ
突如、宇宙から襲来した生物「イズリアン」。
その初襲来から七年が経ち、地球外生命体の襲来が日常へ溶け込んだ頃、終末の英雄と呼ばれた駆除隊隊員、芥は千葉から鳥取への移動を命じられる。
彼はイズリアンと戦う為、人間性を削り落とし戦ってきた。
その事が原因で人間的な感情及び常識に疎く、他の隊員との折り合いも悪かった。
兵器の改良で戦力が向上した今、一騎当千の英雄では無く隊はチームプレイが出来る人材を求めたのだ。
そんな訳で鳥取にやって来た芥はドライブインに併設された、駆除隊鳥取支部を訪れる。
歓待を受けた芥だったが、彼はやはりそれに反応する事は無かった。
翌早朝、副隊長の百福が彼を起こしに来る。
出勤かと身構えた芥だったが、仕事は隊員だという犬、バルサの散歩だった。
感想
どのような非常事態もそれが日常化すればルーティンワークになるという事でしょうか。
作品は緊急事態当初は英雄として大活躍した主人公が、時代の流れと共に必要とされなくなり、へき地へ送られる所からスタートします。
基本的には戦闘しかしてこなかった芥と他の隊員とのズレを描いたコメディタッチの物となっています。
人として欠落のある芥が、襲撃はあるものの比較的のんびりとした鳥取支部で人間らしさを取り戻していく過程が楽しいです。
まとめ
地球外生命体の襲来。
SFでは多くの作品がテーマにしています。
ですが、その多くが撃退してハッピーエンドだった様に思います。
撃退出来ず、しかし滅ぶ事もない世界。
考えてみればそういう可能性も確かに存在するなと、本作を読んであらめて気付きました。
この作品は白泉社公式サイトにて無料で試し読みが可能です。
作者の稲井カオルさんのアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。