ぽんこつポン子 1 ビッグコミックス
作:矢島圭太
出版社:小学館
今より少し先の未来。
寂れた海辺の町日坂町で暮らす老人、吉岡ゲンジ。
ある日、彼の家にメイド姿の少女が訪ねて来ます。
彼女は家政婦ロボだと名乗りゲンジの家で生活するようになるのですが……。
登場人物
吉岡ゲンジ
海辺の町、日坂町で暮らす老人
頑固で不器用な元職人。
妻を亡くし子供達も独立、少し寂れた田舎町で一人暮らしていた。
ポン子
家政婦ロボット
ロボット家政婦協会からの紹介でゲンジの下にやって来た。
黒髪の少女の姿をした多機能お手伝いロボット(TOR前期型)。
現在は法律で禁止された為、人型は製造されていない。
本人いわく高性能家政婦ロボットだが、製造から30年程経っているためかミスが多い。
よく首がとれる。
手からマイナスイオンを出せる。
左手に高出力のイオン砲を装備している。
ネットに接続し各種プログラムをダウンロード可能。
稼働エネルギーは内臓の充電式バッテリーから供給。
ロボット三原則『人間への安全性、命令への服従、自己防衛』が設定されている。
ポン子という名前はゲンジが命名、彼女自身は不服なようだ。
茜(あかね)
カフェ海風でバイトをしている女子高生
実家はスーパー。
日に焼けた快活な少女。
現在、海風の客の七割は彼女目当て。
マスター
カフェ海風のマスター
スキンヘッドにサングラスと髯の男。
彼の煎れるコーヒーは絶品らしい。
吉岡千秋(よしおか ちあき)
ゲンジの妻
病気で入院後、病により亡くなった。
ゲンジの下へポン子を送ったのは彼女のようだ。
あらすじ
海辺の寂れた田舎町、日坂町で暮らす吉岡ゲンジ。
彼は妻と死に分かれた彼は同居を勧める息子の提案を拒絶し、誰もいない家で一人暮らす事を選択した。
そんなゲンジの下へ家政婦協会から紹介されたとメイドロボットを名乗る少女が訪ねて来る。
メイド服のその少女は「本日よりお世話になります」とゲンジに頭を下げる。
と同時に彼女の首がポロリと落ちた。
取り敢えず少女を家に上げ、彼女を送ったと思われる息子の二郎に文句の電話を掛けた。
そんなゲンジの背後に包丁を持った少女が近寄る。
包丁を持ったまま小刻みに震える少女にゲンジは「何するつもりだ」と問い質した。
彼女はロボット三原則により人を傷つける事は出来ず、それにより刃渡り十三センチ以上の刃物を持つと震える様になっているようだ。
にもかかわらず彼女は夕食を作ろうとしていたらしい。
そんな少女にゲンジは家政婦を雇うつもりは無い!と叫びを上げた。
しかし少女は一週間の試用期間だけでもと食い下がる。
話を聞けば彼女にとってこれが最後の仕事らしく、終わればスクラップにされ五百円玉の素材になるらしい。
彼女の末路を少し哀れに思ったゲンジは、一週間だけという約束で少女を家に置く事にした。
充電を欲する彼女にコンセントの位置を教え、ゲンジは自分は静かに暮らしたいだけなのにと嘆息しつつ縁側で煙草をふかした。
その直後、少女の消費電力量に耐え兼ねバチンという音と共にブレーカーが落ちた。
感想
メイドロボット、ポン子はかなりポンコツなロボットで、大半の用事は満足にこなす事が出来ず家政婦として有能とは言えません。
ですが一人ぼっちのゲンジにとって、愛嬌のあるポン子の存在は妻の死に黄昏ていた彼の生活に彩りを与えていきます。
ハチャメチャなポン子の行いに表面上は文句を言いつつも、ゲンジの心は救われている様に感じました。
まとめ
頑固なお爺さんとロボットの賑やかな田舎での日常を描いた作品です。
基本的に人に奉仕したいポン子ですが、たまに暗い一面を出すのが面白いです。
こちらの作品はビッグコミックBROS.NETにて第1話~3話までが無料で閲覧いただけます。
作者の矢寺圭太さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。