野良猫と便利屋 1 ブリッジコミックス
著:乙津きみ子
出版社:KADOKAWA
自殺しようとビルの手すりにぶら下がっていた柴は、突然現れた青年に命を救われます。
助かった事に感謝した柴に青年は三千円を請求します。
その青年玄野は便利屋でした。
登場人物
柴(しば)
白髪の中年男性
自殺しようと遺書を抱えビルから飛び降りようとしたが、思いきれず思わず手すりにつかまつた所を玄野に救われる。
常識的で善良なおじさん。
けっこうお節介。
玄野草一郎(くろの そういちろう)
便利屋の青年
便利屋ネコノテで働く青年。
クールで仕事に私情は持ち込まないタイプ。
事務所で寝泊まりしている。
店長
ネコノテ多摩店のオーナー兼店長
サングラスの小柄な女性。
玄野の過去を詳しく知っているようだ。
あらすじ
孤独にさいなまれ自ら命を絶とうとしていた柴は、ビルから飛び降りたものの恐怖から手すりを掴んでしまう。
しかし掴んだはいいが自ら上がる力も無く、涙ながらに助けてと呟いた。
そんな彼に「手を貸しましょうか?」と青年が声を掛ける。
柴は彼の手を借り何とか一命を取り留めた。
その後、玄野は警察がやって来た現場から柴を連れ逃げ出す。
何とか逃げ切り感謝の言葉を口にする柴に、玄野は「三千円です」とビジネスライクに告げた。
彼は便利屋ネコノテの従業員だった。
感想
主人公の柴は命を救われた後、なんやかんやでネコノテで働く事になりました。
便利屋はその道のプロ程の仕事は出来ませんが人手の足りない時、助っ人として働く仕事です。
この巻ではポテチの購入から墓の掃除まで幅広い仕事を請け負っていました。
作中、依頼人の事情に踏み込もうとする柴と、あくまでビジネスライクに接する玄野の対比が印象的に描かれます。
玄野が何故、人の手助けをする便利屋で働きながらドライに人と接するのか、その理由は一巻の時点では描かれていません。
しかし、玄野は表面上は人助け等無意味と言いつつも人の心を慮っている様に感じました。
また、柴も便利屋の仕事を通し、自分の常識が塗り替えられて行く事を感じている様でした。
何となくですが、便利屋の様な仕事で無い限り出会う人の種類はやはり限定される気がします。
普段接する事の無い人々、経験の無いシチュエーション。
それは触れないと想像する事さえ出来ないのだと読んでいて感じました。
まとめ
第一巻の段階では玄野のドライな対応の理由はまだ語られてはいません。
作中の過去の様子、人助けをしている両親を尊敬していると言っていた彼が何故変わったのか、二巻は購入済みなので読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はComicWalkerにて一部無料でお読みいただけます。
作者の乙津きみ子さんのTwitterはこちら。