怪異と乙女と神隠し 4 ビッグコミック
著:ぬじま
出版社:小学館
雨の日に消えた友人、トモコを探す女性、シズク。
紅衣少女孩(フェンイーシャオニュイハイ)という人に憑りつき渡り歩く怪異に狙われたシズクを何とか助けた菫子(すみれこ)、蓮(れん)、乙(おと)の三人。
彼らが次に出会う怪異は……。
登場人物
玉心堂書店店主
幼い菫子が迷い込んだ先にあった書店の店主
ロングヘアーに眼鏡の女性。
気持ちを言葉にする事が苦手だった菫子に本を貸出し、彼女に心の中で物語を紡ぎ、それを言葉にするという方法を教えた。
天地のどか(あめつち のどか)
乙の高校の友人
ロングヘアーの八重歯女子。
本人はアイドルに憧れを持っているが、親は実家の病院を継ぐ事を望んでいる。
姫魚よるむん(ひめうお よるむん)
人魚姫VTuber ショートカットまな板人魚な女の子アバターのVtuber。 芸風は毒舌を絡めながらも人を応援するスタイル。
花村美甘(はなむら みかん)
よるむんの中の人 三つ編み眼鏡の女性。
進行性の難病を患っており移動は車いす。
誰かの援助を受けないと生きられない事に心苦しさを抱えていた。
よるむんとなり、人を応援する事に喜びを感じていたが、頑張り過ぎた彼女の体はその活動について行けなかった。
あらすじ
梅雨明けの休日、余りの暑さに目を覚ました菫子は冷房を付けつつ、水分補給をしてもうひと眠りと呟きながら閃く。
①冷房を入れる。
②冷える間に酒を買って来る。
③帰った頃、丁度、冷えた部屋でパーリー。
整う、これは整うぞ。
自分の閃きにテンションを上げつつ、炎天下の中、菫子は着替えを済ませ部屋を出た。
部屋の外、階段へ続く廊下では一匹の黒猫がこちらに視線を送っていた。
黒猫に暑い日はしんどそうだなと声を掛け、彼女は汗を掻きつつ酒を購入。
家に戻ると先程の猫が痙攣しながら荒い息を吐いていた。
緊急事態だと菫子は猫を部屋に上げ、良く冷えた部屋で熱中症になった猫に水を与えてやった。
復活した猫に語り掛けながら、菫子は良く冷えたストロング缶を体に流し込む。
プハッーッ!!
完全に整った菫子は強かに酔っぱらい杯を重ね、やがて眠りについた。
そんな菫子を、助けた黒猫はその体から黒い瘴気を発しながらじっと見つめていた。
感想
今回は菫子と怪しい黒猫の邂逅から始まり、菫子と不思議な本屋、乙の友人のどかとVtuberよるむんの三つが収録されました。
その中でも菫子が壊れた金網の先に見つけた、不思議な本屋の話が印象に残りました。
その本屋で文字の描き出す景色に魅了され、ハマっていく菫子にとてもシンパシーを感じました。
また、秘密の道を抜けた先にある本屋にはノスタルジーを感じました。
幼い頃、一度だけ辿り着けた場所。そして二度と行けなかった場所(菫子は何度も通っていたようですが)そんな場所は誰にでもあるのではないでしょうか。
それは月日が流れ、成長と共に目線が変わり発見出来ないのか、単にその場所自体が別の建物に変わったのか、それとも何か別の理由が……。
今回のエピソードを読んでいて、そんな昔の記憶を思い出しました。
まとめ
今回のラスト、時空のおっさんから蓮に猫が来ると警告が入りました。 以前から登場していた猫(化け猫?)。
彼女の目的が何なのか。次回も読むのが楽しみです。
この作品は、やわらかスピリッツで一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。