パリピ孔明 1 ヤンマガKC
原作:四葉タト
漫画:小川亮
出版社:講談社
西暦234年、中国五丈原。
蜀の丞相、諸葛亮は死の床にありました。
死の間際、平和な世で生きたいと願った彼は気が付くとハロウィンで賑わう東京は渋谷に降り立っていました。
登場人物
諸葛亮:字 孔明(しょかつ りょう:あざな こうめい)
蜀の丞相・軍師
三顧の礼を受け漢中王劉備に仕えた天才軍師。
死後、若返り日本の渋谷に降り立つ。
そこで出会った少女、英子の歌を都合三度聞き、その時感じた感動を世に広めようと彼女の軍師になった。
月見英子(つきみ えいこ)
クラブで歌っている少女
ハロウィンで浮かれた若者に無理やり飲まされ潰れていた孔明を放っておけず家に連れ帰った。
歌手を夢見ているがその夢を諦めかけている。
小林(こばやし)
英子が歌っているクラブ「BBラウンジ」のオーナー
見た目は怖いが筋の通ったいい男。
命を絶とうとしていた英子を止め、彼女に歌手という道を目指す切っ掛けを与える。
三国志マニア。
ミア西表(みあ いりおもて)
フォロワー数10万の人気歌手(彼女と会った時の英子のフォロワー数は200)
英子を当て馬にしてイベントの客の独占を狙う。
セルフプロモーションに力を入れボイトレはサボり気味。
あらすじ
中国、五丈原で死んだ蜀の天才軍師、諸葛亮は死の間際、平和な世界で生きる事を望んだ為かハロウィンで盛り上がる渋谷に若き日の姿で転生する。
モンスターに扮装した若者達の姿に、地獄に落ちたと状況を冷静に分析した孔明だったが、コスプレだと思った若者達に無理やりテキーラを飲まされクラブへ連れ込まれてしまう。
余りの騒がしさに耳を塞ぐ孔明。
しかしステージに立った鬼の扮装をした少女が歌った瞬間、彼の目は少女に釘付けになった。
彼女の歌声に魅了された孔明はステージを降りカウンターで、誰も歌を聞いていない事に腐っていた少女に声を掛けた。
彼なりの表現で感動を伝えるものの、少女には伝わらず彼女はスタッフに呼ばれ去って行った。
翌朝、路上で酔いつぶれた孔明を見つけた少女は、放っておく事も出来ず彼を家に連れ帰った。
彼を助けた少女、英子とスマホから現代の知識を吸収し、その過程で蜀が滅びた事を知った孔明は過ぎ去った時を思い窓から夕陽に染まる街並みを見た。
その寂し気な後ろ姿に英子はギターを弾きながら歌を送った。
大切な人を想い歌う愛の歌に、孔明の心は平和を願った劉備達を映し出した。
英子に感謝の礼を示す孔明の頬には一筋の涙が伝っていた。
感想
YouTubeでたまにCMが流れていたのですが、パリピと孔明がどうしても結び付かず完全にスルーしていました。
CMを見たイメージは三国志の世界で孔明がウェイウェイするのかなと勝手な想像をしていましたが、そんな事は無く熱くて泣けるお話でした。
作品は三国志を知らなくても楽しめますが、三国志演義の内容を知っていればより面白くなると思います。
内容的としては、才能は有りますがまだ知名度の無いシンガー英子を天才軍師孔明がプロデュースしていくといった物です。
素直で一生懸命な英子がとても可愛いです。
まとめ
個人的に歌は技術では無く心では無いかと思っています。
どんなに上手くても、旋律をなぞるだけの物は聞いても感動はしません。
逆に少しぐらい下手でも、気持ちが乗っていれば心が震えます。
英子の歌は努力の上に気持ちを重ねている気がします。
次巻ではフェスでの様子が描かれる模様。
孔明がどんな策を打つのか今から楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
漫画担当の小川亮さんのツイッターはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。