シャンピニオンの魔女 3 花とゆめCOMICS
著:樋口橘
出版社:白泉社
世界に害悪をもたらす「成れの果て」
それに高い確率でなる可能性のある「呪いの子」リゼル。
かつて同じく「呪いの子」だったシャンピニオンの魔女ルーナは、彼を弟子として育て、慣れの果てになる未来を回避しようとするのですが……。
登場人物
ドロシー
猫の魔女(見習い)
赤毛でショートカットの女の子
格下の鼠の魔法使いと蝙蝠の魔法使いを引き連れ、自分より先に正式な黒魔女となったルーナを見に来た。
当初は嫌がらせに来た筈だったが、お人好しで世間知らずなルーナに毒気を抜かれ、彼女の事が大好きになる。
あらすじ
呪いの子、リゼル。
彼を育て導く事を条件付きで許されたルーナは、彼に魔法を使い日記を書かせる事で、身の内に溜まる穢れを浄化させようとしていた。
リゼルがルーナの弟子となり一年が経ち、森での暮らしにも慣れてはきたが、記憶を失ったリゼルは不器用なルーナを慕いながらも、これからの事に不安を抱いていた。
一年前のその日、目を覚ましたリゼルはルーナに名を尋ねられ「リゼル」と自身の名前を告げた。
その瞬間、周囲に魔力の波動が生じた。
黒魔女に比べ魔力の弱い白魔女は契約や呪によって力を補う。
「リゼル」という名はその呪を含んだ真名(まな)であるらしい。
真名を知られる事は呪いの的を晒す様な物。
そんな話を聞いていたリゼルの頭に自分を疎む言葉が浮かぶ。
「忌々しい」「生まれてきてはいけなかった」
自分の事はよく分からないが、ここにいてはいけない。
そう感じたリゼルはルーナ達に礼をいい、家から出ようと寝かされたキノコの寝台から降りようとした。
そんな彼の胸に痛みが走る。
呪いの子であるリゼルは負の感情によりその身に邪気を溜め込む。
その邪気によって自分の身も傷つく。
ルーナは自らの存在を否定するリゼルが生んだ傷をキノコ(小人型)に移し、傷を肩代りしたキノコの世話をリゼルに命じた。
その後、ルーナはリゼルを新たな弟子とし名を与える。
「リゼ」真名から一文字抜いただけの、良い名が咄嗟に浮かばなかったルーナが付けた即席感の溢れる名前だったが、その日からリゼルはリゼとしてシャンピニオンの魔女ルーナの弟子となった。
感想
今回は弟子となったリゼがルーナの態度に戸惑いながら、絆を紡いでいく様子が描かれました。
リゼはルーナに優しさを感じながらも、どこか突き放した態度を見せる彼女に困惑している様でした。
それは勿論、ルーナの体や呼気に毒が含まれているからなのですが、その事を知らないリゼには彼女のちぐはぐな行為に不安を覚えていました。
邪気を溜め込み強い魔力を持つリゼですが、心は人間の子供と変わる事は無く、彼は愛や優しさを求めていたんだろうと、そしてルーナの中にそれを見たのだと今回のエピソードを読んでいて感じました。
まとめ
畑作りという新たな目標を持ったリゼ。
次巻ではその畑作りが描かれるのでしょうか。
どんな事になるのか、次回も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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