トクサツガガガ 19 ビッグコミックス
作:丹波庭
出版社:小学館/ビッグコミック
中村叶(なかむら かの)、27歳、OL、特撮オタク。
兄に便乗し東京に来た母。
友人として彼女と接していこうと決めた叶は、自身の言葉に葛藤しながら母と兄の家族と共にアンティーク骨董市に出かけます。
冒頭あらすじ
家族と共に出かけたアンティーク骨董市。
兄の望(のぞむ)はレコード、兄嫁のタカはキッチン用品、叶自身は新たな戦隊シリーズの影響を受け宝石に興味を引かれていた。
そんな中、母親の志(ふみ)も並べられていた品物を楽しんでいる様子だった。
元々、骨董市に行きたいと言ったのは彼女だった。
その様子を見て、望は自分の欲しいものを見つけて動けるようになったと苦笑を浮かべた。
以前であれば自分の事は我慢していた筈だ。
叶とやり合った成果が出たと言う望むに、叶も感慨深く頷いた。
ミニチュア家具を見ていた志に何を買うのか決まったと叶は声を掛けた。
しかし、志は商品を置き買わないという。
それに衝撃を受け、買わない理由を尋ねると志は「今更……」と呟く。
叶は「今更」では無く「これから」と言ったではないかと志に返す。
それに対し志は「あんたらは若いからええけども……」と自分の年齢を鑑みて、たかがしれとるとため息を吐いた。
感想
冒頭の叶の母親、志の言葉には少し引っ掛かりを覚えました。
この先、10年、20年後には死んでいるから物を増やすのは嫌だ。
分からなくはないですが、それでも死ぬまでは生きている訳です。
私自身は死ぬまで趣味を楽しみたいし、好きな物は側に置いておきたい、そう思います。
どうせいつか死ぬのなら、その時は好きな物に囲まれていたいですし、死んだ後は売るなり捨てるなり好きにしてくれていいとも思います。
残った人や処分する人には迷惑かもですが、そのぐらいの我儘は許して欲しいなぁと読んでいて感じました。
死期を予測し身辺を整理して逝くのもそれはそれでスッキリしそうですが、周りに何も無いのは少し寂しい気がしました。
私が集めた本やゲームを誰かが楽しんでくれたら。
そんな風に考えるのもなんか楽しいですし……。
まとめ
今回は上記の他に、家族写真、着せ替え人形、チームダミアン、会社の新人、変わる人変わらない人、遊園地での作戦会議、ヒーローショーの始まり等が描かれました。
今回はダミアンとの和解の為の作戦会議的な回が多かった様に思います。
この作品も次巻で最終巻、最初はぼっちだった叶の周りにも仲間が増えたなぁと読んでいて感慨深く感じます。
この作品はビッグコミックBROS.NETにて第一話が無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。