19番目のカルテ 徳重晃の問診 1 ゼノンコミックス
著:富士屋カツヒト
医療原案:川下剛史
出版社:徳間書店
医師三年目の滝野の子供の頃の夢は「なんでも治せるお医者さん」
しかし、成長し自らが医者となった今は、細分化され専門性が増した現在の医師がそんな存在では無いと理解しています。
そんな彼女の前に総合診療科の医師、徳重が現れます。
登場人物
滝野(たきの)
整形外科の医師
専門を選んだばかりでまだ整形外科医としては駆け出し。
大学では柔道サークルに所属しており、小柄ながらかなりの腕前。
徳重晃(とくしげ あきら)
総合診療医
総合診療科は患者の容態を見極め適切な専門医にバトンを渡す、橋渡し役をする診療科
徳重はそんな総合診療医であり、患者の持つ精神的なストレスのケア等も含めた全般的な洗い出しを目標にしているようだ。
見た目は背の高いメガネで人当たりの良さそうな青年。
横吹(よこぶき)
医者嫌いの老人
上腕部の骨折で入院中、喉の痛みを訴えている。
成瀬(なるせ)
整形外科科長
大柄で顎鬚を蓄えた偉丈夫。
熱血漢であり後進の指導にも熱心だがその熱意ゆえ、あまり人の話を聞かず暴走する事も。
明るく思いやりもある医師。
白山(しらやま)
痛風を発症し通院中の男性
腰を痛めた父親を気遣い暮らしている。
黒岩モモ(くろいわ もも)
化粧品販売員
原因不明の痛みを抱え多くの病院で診察を受ける。
しかし、痛みの原因が特定出来ずナーバスになっている。
有松(ありまつ)
小児科医
サバサバした性格の女性医師。
専門はアレルギー。
植田翔太(うえだ しょうた)
五歳児
余り喋らない人見知りの少年。
翔太の母
翔太に対して少し距離がある。
あらすじ
総合病院に勤める滝野は専門を選んだばかりの三年目の医師。
子供の頃は医者は全ての病を治せると思っていたが、現在では医師とはスペシャリストであり、それぞれの専門分野以外は担当医師に回すのが常という事も理解している。
医療が細分化された事で救われる人が増えた事は確かだが、それによってたらい回しにされる患者がいる事も事実だ。
滝野自身、自分の患者は自分で治療したいとは思っているが、専門外の事でもし何かあったらと考えるとそれも致し方ないと諦めていた。
そんな折、彼女の勤める病院に新たな診療科が新設される。
新しい科の名前は総合診療科。
その科の担当医として就任した徳重晃という男性医師の存在が、滝野の医師人生に新たな道を開かせる。
感想
作品は総合診療医、徳重が患者とのコミュニケーションを通じ病を特定し彼らの痛みを取り除いていくという物です。
以前、肘の痛みがあった時、病院に通っていたのですが原因が分からず痛み止めとシップで凌いでいた事があります。
その時は筋を傷めたのだろうという事で治療を受けたのですが、随分長く痛みが続き辛かった事を覚えています。
今回読んでいて黒岩という女性にはとてもシンパシーを覚えました。
彼女と同様、私も痛みを治して欲しくて色々な病院で診察を受けました。
病気というのは原因が様々で医師であっても、これだと決定するのは難しいという事は分かります。
しかし痛みが続いている間はとても辛く、バシッと言い当てて早く楽にして欲しいと思っていました。
作品はフィクションですが、あの時、徳重先生のような人がいればと今さらながら思ってしまいました。
まとめ
今まで通った病院では内科の先生に診てもらい、それから専門医という流れが多かった様に感じます。
また、体の変調を感じている時にすぐに診察を受ける事が出来ず、受けた時には異常なしという事もありました。
徳重先生の様に患者の話す情報、様々なデータによって病の特定が出来る先生が増えてくれればと思いました。
(それがとても難しい事は勿論理解しています。ただ、そうなればいいなぁという願いです)
この作品はゼノン編集部で一部無料でお読みいただけます。
作者の富士屋カツヒトさんのツイッターはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。