漫画完結作品

時給三〇〇円の死神 コミカライズ版 第三巻 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:2021年11月7日 更新日:

月と海
時給三〇〇円の死神 コミカライズ版 3 アクションコミックス

原作:藤まる
作画:桐原いづみ
出版社:双葉社

この世に未練を残して死んだ人々。
生きていた頃と変わらぬ暮らしを続ける、その死者の未練を晴らしあの世へ送る死神。

その死神のバイトをしている高校二年生の佐倉真司(さくら しんじ)は死者である雨野(あまの)からクラスメイトで同じく死神のバイトである花森雪希(はなもり ゆき)が死者である事を告げられ……。

広告

登場人物

朝月静香(あさつき しずか)の母
静香が死者だった事に気付かず彼女が消えた後、静香が生きているかのように訪ねて来た真司に激高した。
暫く間を置き真司が朝月家を訪ねた際は、落ち着きを取り戻し優しく対応してくれた。

花森雪希(はなもり ゆき)の母
幼い雪希を女手一つで育てる事に疲れ、ハイキングで出掛け川に落ちた(雪希の記憶では)雪希を溺死させた。

サッカーボールを抱えた少年
道路際の壁の前でサッカーボールを抱えたまま佇む死者の少年。
雪希は彼の幸せを願っていた。

あらすじ

雨野が告げた言葉、花森雪希は死者。
雨野は花森が事前に虐待されていた死者、夕(ゆう)と出会い自分が死者である事を言わない様、口止めしていたという。

その雨野の言葉に真司は説得力を感じていた。
真司自身が感じていた違和感、花森はいつも自分より先に死者と会っていた。
さらに二人目の死者である黒崎(くろさき)の別れの言葉。

“あんたも大変なのに世話になったな”

雇用期間は自分と同じく半年なのに知識量に差があり過ぎる事。

嘘だよな? そう問いかけた真司に花森は返事をしなかった。
そんな二人の様子を見て、雨野は、我が身の不幸を呪い、こんな世界、どいつもこいつも不幸になればいいと声を上げて笑った。

最後に夕からの『あなたたちに最大の不幸が訪れますように』という伝言を伝え雨野は二人の前から去って行った。

雨野が去った後、花森はいつか話した死者の持つ力、時間を止める能力は自分の物だと告白して笑みを浮かべ、ごめんなさいと言葉を残し真司の前から姿を消した。

広告

感想

最終巻であるこの巻では死者、花森雪希を真司が送る為、二人の幸せな日々が描かれる事になりました。

二人の一緒に遊ぶ姿は正に恋人同士としか呼べない物でしたが、先にあるのは別れであり、更に雪希が消えたあと、真司が死神の任期を終えれば雪希との記憶は歴史の修正に従い消えてしまいます。

真司の元カノ、朝月静香のエピソードを読んだ時にも感じましたが、絶対に取り戻せない人とのロスタイムは切なく、でも暖かくてそれだけに哀しいなぁと読んでいて思いました。

まとめ

読み終えての作品としての印象はオカルトというよりは、死者が生きている世界線、ifの世界を描いたSFの様に感じました。
消えてしまったけれど消えない記憶。花森の消失によって空に溶けたマフラーの様に淡く優しい物語でした。

この作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
原作者の藤まるさんのTwitterはこちら
作画担当の桐原いづみさんのTwitterはこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのAlexZelによる画像です。
広告

-漫画完結作品
-, , , , ,

関連記事

銭湯

相続探偵 第五巻 登場人物・あらすじ・感想

相続探偵 5 イブニングKC 原作:西萩弓枝 漫画:幾田羊 出版社:講談社 老舗和菓子店「鳳凰」の主人、百万遍紘一(ひゃくまんべん こういち)の残した遺言、鳳凰の名前は紘一の正妻の子、正臣(まさおみ) …

狸

社畜と幽霊 第二巻 登場人物・感想

社畜と幽霊 2 ヤングジャンプコミックス 著:日日ねるこ 出版社:集英社 ブラック企業に勤める背山通と、会社に取りついている幽霊のお話第二弾です。 今回は背山の元カノ、動物霊、幽霊萌えの占い師、外国の …

鉄仙

銀河のカーテンコール 第三巻 登場人物・あらすじ・感想

銀河のカーテンコール 3 モーニングKC 著:北駒生 出版社:講談社 大好きな作品「はじまりは銀河」。 その作者である藤之江遥(ふじのえ はるか)とどこか似た容姿の青年、万里(ばんり)。 眞(まこと) …

雀

やさしいヒカリ 第一巻 登場人物・あらすじ・感想

やさしいヒカリ 1 アフタヌーンKC 作:中村ひなた 出版社:講談社 大学を卒業し東京の会社に就職した三宅飛鳥(みやけ あすか)。 しかし、激務の日々は徐々に三宅を疲弊させていきました。 ついに駅のホ …

通天閣

庭先案内 第六巻 各話あらすじ・感想

庭先案内 6 ビームコミックス著:須藤真澄出版社:エンターブレイン 須藤真澄さんの描く、庶民的な暮らしの中に不思議を織り込んだ日常系ファンタジー。庭先案内としては最終巻ですが、タイトルを毎回変える形で …

DMMコミックレンタル

広告
広告
田中
読んだ本の紹介等しています。
本を選ぶ際の一助になれば幸いです。