相続探偵 1 イブニングKC
原作：西萩弓枝
漫画：幾田羊
出版社：講談社
遺産を巡る争いを調査し、故人の本当の意向や不当な遺書の存在を暴く探偵、灰江七生（はいえ なお）の活躍を描いた作品。その第一巻。
登場人物
灰江七生（はいえ なお）
遺産相続に関する問題を専門に扱う探偵
天パで眠い目をした青年。
なんかコーヒー豆をお菓子みたくボリボリ食べる。
かつては弁護士だったが、横領により弁護士資格をはく奪された。
三富令子（みとみ れいこ）
灰江の事務所のスタッフ
ショートカットでバイカーな女子。
元医大生。
マイペースな灰江の尻をいつも叩いている。
朝永（ともなが）
灰江の友人
マッシュヘアーで小柄で声の小さい男。
元警視庁、科捜研のエース研究員。
今畠忍三郎（いまはた にんざぶろう）
大御所ミステリー作家
末期癌で亡くなった。
桜庭真一（さくらば しんいち）
今畠の秘書
気弱そうな眼鏡のおじさん。
榊原市香（さかきばら いちか）・跡見双葉（あとみ ふたば）・今畠美樹（いまはた みき）
今畠の娘
三人とも今畠から援助を受けていたにも関わらず、末期癌だった父、忍三郎の見舞いにも来ず面倒もみなかった。
福士遥（ふくし はるか）
弁護士
シュッとしたハンサムな青年。
今畠の顧問弁護士。
灰江とは昔から犬猿の仲。
下島美代子（しもじま みよこ）
今畠家のお手伝いさん
優し気な中年女性。
城丸葉月（じょうまる はづき）
ラーメン五楼で働いていた女性
ショートカットの美人さん。
店が突然閉店し住んでいた寮を追い出された。
シングルマザーで生活に困窮している。
実家の反対を押し切り結婚したが、教師だった夫が教え子と無理心中した。
その教え子が妊娠していた事で、更に親戚と縁遠くなった。
城丸翔太（じょうまる しょうた）
葉月の息子、五歳。
城丸足高（じょうまる あしたか）
葉月の兄、投資家
亡くなった両親の遺産である家について、葉月に維持費の問題から相続しないよう勧める。
あらすじ
大御所ミステリー作家、今畠忍三郎の葬儀会場に現れた一人の男。
会場で振舞われた食事と酒に舌鼓を打っているその男に、忍三郎の秘書桜庭真一が声を掛ける。
話を聞けば男は忍三郎主催のワイン研究会の参加者だったらしい。
一応の納得をした桜庭は秘書だと名乗り名刺を差し出した。
それを見た男は、スーツの全てのポケットを探り、見つけた名刺を差し出す。
「ワタクシ、私立探偵の灰江七生といいます」
名刺には相続調査事務所とある。
誰かの依頼でこちらへ？ そう尋ねた桜庭にあくまでワイン仲間としてと灰江は答えた。
その後、葬儀で出したワインが忍三郎の好きだったラローズだと見抜いた灰江に桜庭も警戒心を緩めた。
そんな風に灰江と話していた桜庭を中年の女性が声を荒げ呼ぶ。
彼女の名は榊原市香、亡くなった忍三郎の娘の一人だ。
彼女は忍三郎の遺志であったワインの提供に難色を示した。
一本数万円のワインを百本、その金は自分達の物だと市香は言う。
忍三郎の三人の娘、榊原市香、跡見双葉、今畠美樹の三姉妹は忍三郎の莫大な遺産を引き継ぐ気満々だった。
そんな三人に、桜庭は見て欲しい物があると告げる。
彼が見せたかった物、それは自身の遺言を話す忍三郎を撮影した動画だった。
その動画の中で、忍三郎は財産の全てを老後、自分の面倒を見ていた秘書の桜庭に相続させると宣言した。
感想
遺産の相続、それが莫大な額になれば身内兄弟であっても骨肉の争いが起きる。
身近にそんな大金持ちはいませんが、相続で揉める事は世間では多いのかもしれません。
作品はそんな遺産相続に隠された真実を暴く探偵の活躍を描いた物です。
今回収録されたケースは二つ、一つは冒頭のあらすじを書いたミステリー作家今畠忍三郎の相続について。
二つ目は結婚を反対され家を飛び出し、夫の浮気からの浮気相手との無理心中でシングルマザーとなった女性と、その兄との間の相続問題を描いた物。
なんというか、大金って関わると人の本性が見えるなぁと読んでいて感じました。
まとめ
二つ目のエピソードは完結していないので、二巻はその続きから始まるようです。
鎌倉の旧家の相続を巡る兄妹のエピソード。
裏がありそうな兄がどんな事を仕掛けるのか、読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
