ギターショップ ロージー 2 ビッグコミックス
著:髙橋ツトム
出版社:小学館
ビンテージギターから安価な物まで、様々なギターが持ち込まれるギター修理店「ロージー」。
アンガスとマルコム、ロックにやられた二人の兄弟と依頼者、そして依頼者が持ち込んだギターが持つエピソードを描いた作品です。
登場人物
テル
黒髪マッシュのギター少年
ロージーに音の出なくなったギターを持ち込む。
その修理をきっかけにロージーに入り浸るように。
あらすじ
ギター修理店「ロージー」
AC/DCに魂を痺れさせられたアンガスとマルコムと名乗る二人の兄弟が営む修理が専門のギターショップだ。
そのロージーで働く少女、ヒカコはその日アンガスから友人とやる鍋の為にネギを買ってきてくれと頼まれる。
買い物に出かけた道中、ヒカコは道端に置かれた一本のギターに目が留まる。
ケースの蓋が開けられ放置されたギターの下には、ご自由にどうぞと書かれた紙が。
どうやら住人が不用になった品を置いているらしい。
周囲にはギター以外にもカップや時計、栓抜きなど様々な物がおかれていた。
古く弦の足りていないそのギターの音色が気になったヒカコは、ギターを手に取り道端にしゃがみ込み弦を弾いた。
その音に反応して、民家の二階から声が漏れた。
「ギターの音がする……ワシのか?」
「そうだよ。家の前に置かれていた古いギターだよ」
ヒカコの答えに老人らしきその声は喜び、ヒカコに美空ひばりの「あの丘を越えて」をリクエストした。
「美空ひばりなんて知らないよ」
「……あ―――」
「ちょっと!!おとうさん!!」
響いた怒声にヒカコは茫然と二階の窓を見上げた。
続く女の金切り声を聞いていたヒカコは、そっとギターをケースに戻し、トボトボとその場を後にした。
感想
今回はヒカコが出会った老人と古いアコースティックギターのエピソードから始まり、ヘッドだけのギター、エピフォンのレスポールと偽物のPAF(パフ)、重たいギター、グラビアアイドルと赤いコロナド、ガラの悪い社長とピックアップの移植、シングルマザーと旦那のベースなどが描かれました。
この巻で登場したのは、
・日本の古いアコースティックギター
・ギブソン チェット アトキンス SST
・エピフォン レスポール スタンダード
・フェンダー テレキャスター 1971ボディ
・フェンダー コロナドII
・ギブソン レスポール Jr.
・BR6
・G&L ASAT BASS
今回もギターと人にまつわる物語が描かれました。
その中でも冒頭の老人と古いアコースティックギターのエピソードが印象に残りました。
老人は認知症を発症しており、彼を介護している娘も酷く疲れているようでした。
そんな老人にヒカコは彼のリクエスト、美空ひばりの「あの丘を越えて」を歌い聴かせます。
前巻の感想で書いたと思うのですが、音楽は心をそれを聴いていた時代に戻してくれる力あるように思います。
思い出の中、楽しかった時代の残滓。
30分しか覚えていられなくても、ヒカコの歌を聴いていたその時、老人の心は昔に戻っていたんじゃないか。
エピソードを読んでいてそんなことを思いました。
まとめ
次巻では見るからに怪しい男がバラバラのギターパーツをロージーに持ち込む模様。
なんだかホラーチックなエピソードのようで、どんなお話なのか今から読むのが楽しみです。
こちらの作品はビッグコミックBROS.NETにて第2話が無料で閲覧いただけます。
作者の髙橋ツトムさんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。