白暮のクロニクル 1 ビックコミックス
著:ゆうきまさみ
出版社:小学館
オキナガ―息長、不老不死の種族。
保健所に勤務していた伏木あかりは、立ち入り検査を行っていた焼き肉店で胸を刺された遺体を発見します。
その事が、彼女を七十年に渡る連続殺人者「羊殺し」を巡る事件に巻き込んでいきます。
登場人物
伏木あかり(ふせぎ あかり)
渋谷区の保健所で研修中の女性
ショートカットで背の高い女の子。
研修中、厚生労働省の官房参事、竹ノ内(たけのうち)と出会った事でオキナガの管理をしている夜間衛生管理課(やえいかん)へと配属される。
久我井龍一(くがい りゅういち)
焼き肉店オーナー
厨房で殺害されている所を発見される。
あかりは食中毒の検査で彼の店を訪れることになる。
竹ノ内(たけのうち)
厚生労働省大臣官房参事
切れ長眼鏡の男性。
芯の強そうなあかりを気に入り、夜間衛生管理課へ移動させた。
久保園(くぼぞの)
夜間衛生管理課所属のおじさん
バーコード眼鏡の中年男性。
あかりの上司。
雪村魁(ゆきむら かい)
オキナガの青年、年齢は88歳
見た目は十代の青年。
オキナガが関わった案件を調査解明している。
按察使文庫(あぜちぶんこ)という名の私設図書館のような場所で暮らしている。
高萩凛子(たかはぎ りんこ)
按察使文庫を訪れた少女
過去に家族を殺され、その事件の容疑者だった魁に恨みを抱く。
按察使薫子(あぜち かおるこ)
按察使文庫の主
和服の美女。
あらすじ
焼き肉店で起こった殺人。
警察が現場を捜査していると、厚生労働省の参事を名乗る、竹之内という男が現れた。
竹之内は被害者の名前を刑事に告げた。
彼は被害者を保護観察対象と話した。
死んだ久我井龍一はオキナガだと竹之内は言った。
二人が話していると、研修で参加していたあかりが、現場を見て嘆いている。
こんなに荒らされては食中毒の検査など出来ない。
そう上司に訴えているあかりに、竹之内はこちらは殺人事件だと声を掛ける。
あかりは竹之内にあんた誰よ!?と聞き返した。
あかりは厚労省から研修で保健所に来ていた。
遥か上の上司に、失礼な言葉を言ってしまったあかりは戻ったオフィスで放心状態になっていた。
後日、竹之内の下に呼び出されたあかりは、呼び戻された事について竹之内に尋ねていた。
竹之内は食中毒については解決した事を語り、移動については選択肢はないと言った。
彼女は竹之内の希望で「夜間衛生管理課」に配属される事になっていた。
竹之内は彼女の働きと眉毛が気に入ったらしい。
早速働いて貰うと言われ、向かった先は祭祀場だった。
そこで上司の久保園と落ち合い、タクシーで向かった先は按察使文庫という、図書館のような場所だった。
久保園は被害者の遺骨を預ける為、ここを訪れたようだ。
主人の女性に挨拶し、執事に案内された先には、十代の少年がいた。
自分を子供扱いする少年に年齢を尋ねると、十八と答える。
それを聞いて久保園が噴出した。
あかりが本当になにも聞かされず来たらしいと気付いた少年は、自己紹介を始めた。
彼の名前は雪村魁、オキナガ案件と呼ばれる事件を、警察より先に解決するため夜衛管に協力しているらしい。
久保園が魁がぼかした年齢を、今年89歳と話す。
それを魁はまだ88だと訂正した。
感想
ゆうきまさみさんの描く人々はパトレイバーの時もそうでしたが、どこか仕事と割り切ってやっている感があり、人間臭くて大好きです。
このお話でも、凄惨な事件を追いながらも暗くなり過ぎないのは、登場人物の日常が丁寧に描かれているからだと感じます。
まとめ
オキナガは所謂、吸血鬼としての特徴を備えています。
心臓を潰されないと蘇生するし、日の光は苦手です。
彼らが他の物語の吸血鬼と違うのは、非常に理性的である点でしょうか。
不老不死で、死に辛い事等を除けば、普通の人間と変わらないように感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。