いちげき 4 SPコミックス
漫画:松本次郎
原作:永井義男
出版社:リイド社
丑五郎達を取り逃がしてしまった伊牟田の怒りは、彼の宣言通り丑五郎の故郷へ向かいました。
村の襲撃を知らされた丑五郎は島田達の指示を破り、故郷、東一之江村へ向かいます。
丑五郎が村についた時、伊牟田の襲撃は終わっており家族は既に殺された後でした。
原作は永井義男さんの『幕末一撃必殺隊』(リイド社)です。
あらすじ
丑五郎が市造と共に村に辿り着いた時、妹のチヨも祖母も既に伊牟田の手で殺害されていた。
その事への怒りは何もしなかった村人達に向かった。
暴れる丑五郎に村人達は逆に丑五郎がやっている仕事が原因だろうと彼を糾弾する。
村の外で待機していた市造は乱闘を起こした丑五郎を見てそれに介入、村人が数の暴力に訴える前に辛くも丑五郎を連れ脱出する。
その後、何とか逃げ延びた市造は丑五郎から彼がチヨを気遣う理由を聞かされた。
丑五郎はかつてチヨが侍にその身を差し出す事を止められなかった自分を悔いていた。
刀に屈した自分を、妹にそれをさせた自分を許せず、抗うには刀を手に入れる他無かった。
全部自分の所為だと自分を責め死のうとした丑五郎を市造は殴り飛ばした。
丑五郎を助けたのはお前の為ではない。
彼が死ねばそれだけ自分の命がヤバくなるからだ。
丑五郎の命は隊が預かっている。
死ぬなら隊の為に死ね。
市造は続ける
身内を殺され、村を追い出され、それで何もせずに死を選べば負け犬だ。
いい様にやられっ放しで悔しくないのか?
何の為に刀を持ってる。
浴びせられた市造の言葉と伊牟田の言葉が重なる。
チヨを殺したのが伊牟田と確信した丑五郎は伊牟田を殺す事を決意した。
感想
今回、冒頭の抜け出した丑五郎と市造のお話から、梅吉の切腹、総攻撃の決定、薩摩と完全に袂を別った伊牟田などが描かれました。
丑五郎とチヨの過去はとても切なく感じました。
刀と身分で弱者を黙らせ虐げる。
そんな者は侍でも人でも無く、ゲスな獣でしかない様に思います。
また勝は一撃必殺隊に人を補充する意思は無く、御用盗に傷を負わせる事が出来れば御の字ぐらいに考えている様です。
まぁそれは最初からだったのですが、その所為で丑五郎達は僅か六名で薩摩へ攻撃しないといけなくなりました。
その事について島田は最後まで無駄死にを避けようとしている様に感じました。
冷淡なんだけど妙に人を大事にしてて、薩摩の相良とは対照的に感じます。
まとめ
総攻撃が決まり次巻ではその様子が描かれます。
小説は未読なので彼らの物語がどのような結末を迎えるのか気になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品はトーチwebにて一部、無料でお読みいただけます。
松本次郎さんのTwitterは多分こちら。