いちげき 3 SPコミックス
漫画:松本次郎
原作:永井義男
出版社:リイド社
襲撃を受けた薩摩の御用盗指揮官、相良は藩士の海江田達を呼び寄せ襲撃者の正体を探らせます。
それとは別に動いていた伊牟田も必殺隊が女郎屋「井村屋」に出入りしている事に気付きます。
原作は永井義男さんの『幕末一撃必殺隊』(リイド社)です。
あらすじ
一撃必殺隊が井村屋に出入りしていると察知した海江田達は、必殺隊襲撃を計画。
しかし、同様に必殺隊の動きを知った伊牟田が先んじて店前の長椅子に座っていた丑五郎の横に腰を下ろした。
一瞬即発の空気の中、丑五郎は伊牟田の殺気をなんとか感じ取ろうと気を探る。
其処に状況を知らない市造が店の扉を開け丑五郎に声を掛けた。
伊牟田は弾かれた様に反応し、刀を抜き放つ。
丑五郎は伊牟田の斬撃を寸でで躱し地面に転がった。
格の差を感じた丑五郎は市造に薩摩の襲撃である事を伝え、逃走を指示。
海江田達も動き出し、必殺隊の面々は這う這うの体で井村屋を逃げ出した。
その後、裏路地に集合した必殺隊だったが、隊員の一人和三郎から同じく隊員である千代松が捕らわれた事を聞かされる。
隊の内情を知られる事を恐れた丑五郎は、藩邸に連行される千代松の殺害を提案した。
感想
今回は冒頭の伊牟田と海江田達、薩摩藩士の襲撃から始まり隊員の死、伊牟田の過去、丑五郎の村、東一之江村襲撃等が描かれました。
近しい者の死は怒りと悲しみを生み、人を復讐に駆り立てます。
その連鎖は終わる事が無く次々に新たな死を生み出していく。
今回読んでいてそんな事を感じました。
描かれた伊牟田の過去で、彼は離島でとても穏やかに生きていました。
あのまま島にいられれば伊牟田は平穏に暮らせた筈です。
動乱と変革が幸せを奪い、死と悲しみ、怒りを広げている。
作品はとても面白く素晴らしいのですが、それだけに感情移入してしまい切なく憤りを覚えます。
まとめ
藩を離れ独自の行動を始めた伊牟田。
必殺隊を追う海江田達、薩摩。
先細る一撃必殺隊。
襲撃される故郷。
ジリ貧の状況の中彼らの戦いは続いて行きます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品はトーチwebにて一部、無料でお読みいただけます。
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