スキップとローファー 3 アフタヌーンKC
著:高松美咲
出版社:講談社
夏休み目前、美津未は生徒会の書記として活動し始めます。
志摩の家庭の事や過去も少し語られる第三巻です。
登場人物
風上紘人(かざかみ ひろと)
生徒会長
元サッカー部で二年生における志摩的存在。
サッカーは怪我で出来なくなった模様。
見た目は爽やかなイケメンだが、自分のルックスを自覚しており、生徒会も箔付けの為に入ったようだ。(冗談めかしていたので本音かどうかは分からない)
西城梨々華(さいじょう りりか)
志摩の友人
元子役で現在はモデル。
過去に志摩と共にスキャンダルに巻き込まれた。
その事の原因を志摩に求め、志摩も彼女に対し罪悪感を抱いている。
あらすじ
生徒会書記として活動を始めた美津未。
三年生が引退し、新たな会長は美津未も尊敬する高嶺かと思われたが、怪我によりサッカー部を辞めた風上がその人気により会長に就任した。
生徒会活動を熱心に行っていた高嶺は、その事にショックを受けた様子だった。
経緯を美津未から聞いた演劇部の兼近は、放課後、生徒会室を訪れる。
兼近は美津未に便乗し生徒会室で勉強していた志摩も含め、部屋にいた高嶺、美津未、志摩の三人にテキパキと機材をセッティングしある映像を見せる。
それは彼が小学五年生の時に製作した映画「コムラ」(怪獣映画:製作及び出演等、全て兼近)だった。
映画のあらすじを解説する兼近を、高嶺は作品の拙さから恥ずかしくないのかと見返す。
見返した顔はかなり気恥ずかしそうだった。
恥ずかしいなら何故?
そう聞いた三人に「おもしろいだろ、コレ!」と兼近は返した。
「そりゃ僕だって、いつか最高のものを作ってみんなに認められたいけど……これだって誰にも観せないよりは、君らが笑ってくれるならいいと思ったんだ。」
作品は正直、出来がいいとはいえず、撮影の合間に入った兼近の祖母の声もカットされる事無く入っているような代物だった。
しかし、その映画は落ち込んでいた高嶺を笑顔にさせた。
感想
今回は冒頭の生徒会の件から、志摩と因縁のある梨々華の登場、志摩と美津未の動物園デート、女子四人でのお泊り、夏休み石川県への帰郷、そして夏休み明け文化祭準備の始まりが描かれました。
今回は、あらすじで書いた兼近がとても好きになりました。
一、二巻では志摩の才能を目当てに勧誘を繰り返す、少しウザくて熱い演劇部の人という印象でしたが、彼はお芝居によって人の心を動かしたいのだなと今更ながらに感じました。
人の機微に疎く、その熱さ故、無意識に他人の心に踏み込むデリカシーの無さもありますが、彼の存在が志摩を再び演技の世界へ引き込むのではと何となく思いました。
まとめ
今回は田舎に帰り、気の抜けきった美津未の表情がとても可愛かったです。
次回は文化祭がメインになるようです。
今から読むのが楽しみです。
この作品はコミックDYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。